Monologue

2010年02月18日(木) こんな色紙はイヤだ!

路上詩人さちおの色紙を手にガックリと肩を落としたまま『鳴海探偵事務所』に帰って来た
翔太郎と亜樹子は事務所のドアを開けると、
床に座っているフィリップに声を“ただいま”と声を掛けた。

「あ、お帰り。」

そう答えて、またすぐに手元のハードカバーの本に視線を落としたフィリップに、
スッと翔太郎は1枚の色紙を手渡した。

「ほらよ、土産だ。」

「・・・何コレ?」

「詩人のさちおさんが書いた心にズン!と来る言葉だってよ。」

「ふぅん?」

ツヤツヤの唇を左手の人差し指で撫でながら、フィリップは色紙の言葉を読み上げた。

「・・・・・・『私はお前のご主人さまだ』?」

「ちょっ!ちょっと翔太郎君!」

思わず亜樹子が大声を上げる。

「あッ!ヤベ!間違えた!フィリップ!こっちだ!こっち!」

慌ててフィリップの手から色紙をひったくり、
改めてフィリップ宛に書かれた詩人の色紙を手渡す。

翔太郎の手からポロッと滑り落ちたもう1枚の色紙は詩人の言葉を、
事務所の床の上に、
ズン!・・・では無く、静かに響かせた。


『半人前でもいいじゃん』




次回『Nの苦痛/イタイのはおまえだ!ななか!』

「私は他に楽しい事が1つも無いの!私の人生に『仮面ライダーW』が必要なの!!」

・・・書いてて心に刺さるなぁ、マジで(涙)


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