Monologue

2010年02月15日(月) こんな死なない男はイヤだ!(『仮面ライダーW』ネタ)

(22話、ボロボロに傷付いた照井竜が登場するシーン)

「俺は死なない・・・!まだやらなきゃならない事が、あるからな!」

喉の奥から絞り出す様な声で言うと、
竜はヨロヨロしながら、
トライセラトップス・ドーパントの脇をスッと素通りし、
ファングジョーカーの右側の赤い瞳に向かって話し掛けた。

「フィリップ、俺のビートルフォンは受け取ってくれたか?」

「え?・・・ええ!後で返します。」

「いや、あれはキミの分のビートルフォンだ、フィリップ。
俺の『恋活』・・・じゃなかった『復讐』を支えるシュラウドに頼んで作ってもらった。」

「え?」
「はぁ・・・?」
フィリップは不思議そうに首を傾げ、翔太郎は呆れた様な声を上げる。

「俺との電話なら24時間通話無料、もちろんメールもし放題。
警察電話同様、地下や室内外関係無く、何処にいても繋がる。
キミからの電話にはどんな事があろうとマッハで出てみせるぜ。
左の様に女の子達とのカラオケでうつつを抜かして、
キミからの大切な電話に出られなかったりする事は断じて無い!」

「おい!照井!てめェまた人の相棒にちょっかい出そうってのか?」
翔太郎の憤りに合わせてファングジョーカーの左拳がグッ!と握り締められる。

だが右側は、

「そうだね・・・
もしまた翔太郎が電話に出てくれなかったら、
今度は照井さんの電話に掛ける事にするよ。」

「何ぃ!?」

「翔太郎!少しは反省したまえ!」

ファングジョーカーの右瞳が激しい憤りにチカチカ点滅する。

「キミは九条綾を二度も取り逃がした!
そもそも最初に彼女と闘った後に九条綾の右足の怪我から
トライセラトップス・ドーパントの正体に気付かないなんて・・・。
キミは探偵に必要な洞察力、観察力が足りなさ過ぎだ。
照井警視の方がよほど頼りになる。」

「フィリップ・・・。」

相棒の厳しくも的を得た指摘にファングジョーカーの左瞳が苦々しく煌めく。

「それに、
僕だってカラオケに行きたかったのに・・・。」

“翔太郎や亜樹ちゃんだけズルいよ・・・。”とブツブツブツ・・・呟くフィリップの声に連動して
右瞳が点滅する。

「しょうがねェじゃねェかよ!だって、お前は組織に狙われてっから外出させられないし・・・。」

「今回はキミが電話に出てくれないから、
仕方無く外出して風都署に行ったけど、別に危険な事は無かったよ!
大体、翔太郎は・・・!」

激しく左右交互の点滅を繰り返すファングジョーカーに向かって竜は熱く囁く。

「フィリップ・・・
キミの為なら『鳴海探偵事務所』から『カラオケ店』までの道路に特別警戒態勢を配備し、
風都署の警察官を総動員してキミの警備に当たらせる。
もちろん『カラオケ店』はビルごと貸切るぜ!
絶対に組織に手出しはさせない!」

「バカ!そんな事したら、余計目立つだろうがッ!」

「ありがとう、照井さん!今度是非カラオケに連れて行って下さいね。」

嬉しそうに答えながら明滅する右瞳の輝きに左瞳は動揺を隠せない。

「なッ!?おい!フィリップ!」

「俺は死なない!
カラオケでフィリップと『Naturally』をデュエットするまではな!」

「・・・復讐じゃないの?!」と、
トライセラトップス・ドーパントこと九条綾が呆れた声で叫んだ。



次回!『Pの熱唱/怪しいマスク着用でのご入店はお断りさせていただきます。』
「そんな!僕は組織に狙われているんだよ!」

(狙われてる人間があんな怪しさMAXのマスク着用のみで
TV出演しちゃったら、余計に危ないゼェェェッッ!!)


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