Monologue

2006年10月31日(火) 運命のGATE(『カブト』ネタ)

「やったぁ!ついに俺のCDが発売されたぜ!」

11月1日に発売されたCD『LORD OF THE SPEED』を手に、
有頂天になってはしゃいでいる加賀美を、
天道は椅子に腰掛けたまま、醒めた瞳で眺めている。

「これで俺もスターの仲間入りだぜ!
 もし街でいきなりサイン求められたりしたら困っちまうよなぁ・・・
どぉすっかな〜?」

「では、困らない様に予め練習しておけ」

「へ?」

キョトンと瞳を見開いている加賀美の前に、
天道がテーブルの下から取り出した段ボール箱を“ドン!”と置く。

「おばあちゃんが言っていた・・・『何事にも準備は必要だ』とな」

薄く開いた形の良い唇の隙間から、
冷静沈着に紡ぎ出される天道の言葉の意味を掴めないまま、
首を傾げながら段ボール箱を開く・・・と、

「うわっ!何だコレ?」

何と!
段ボール箱の中には
『LORD OF THE SPEED』のCD(推定100枚)が、
ギッシリ詰め込まれているではないか!

「コレ全部俺のCDじゃん!どうしたんだよ?こんなに沢山・・・
 まさか天道、お前・・・?」

「色紙も悪くないが、やはり直接CDにサインした方が、
 より効果的な練習になるからな」

「て、天道!」

想わず声を上げた加賀美の瞳に熱い涙がじわッと滲む。

「お前、いつも「オレとお前は友達じゃない」とか言ってた癖に・・・
やっぱりお前、本当はイイ奴だったんだな!」

「何だ、今頃気付いたのか?」

男泣きし始めた加賀美を見つめながら、
艶めいた唇の端を上げ、まるで天使の様に綺麗に微笑む。

「それにしても、こんなに沢山・・・凄ェ金掛かっただろ?」

「ああ、当然だ。
 もちろんお前の給与から天引きだから、その分、今月はしっかり働けよ」

「・・・・え?」

ほんの一瞬、加賀美は天道の言葉の意味を把握出来なかった。
だが、すぐに自分が置かれている状況を理解すると、


「ええええ〜〜〜ッ!?

 な、な、な、何だよ!
 このCDお前が買ってくれたんじゃねェのかよ!?」

「当たり前だ! 
 まず自分のCDを千枚買い取り、
 サインして手売りするのは新人歌手の登竜門だぞ!」

「だ、だからって、こんなに沢山・・・」

涙の代わりに冷や汗をタラタラ流し始めた加賀美に向って、


「おばあちゃんが言っていた・・・『苦労は買ってでもしろ』とな」

無慈悲な言葉を投げる男の微笑は、やはり天使の様に綺麗だった。




(今更云うまでもありませんが、
 今日の『日記』は実際の人物・団体・
 『仮面ライダーカブト』とは一切無関係な『妄想』でありますので、
適当に読み流して下さいませ(^^;)



・・・・続く(←え?)


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