Monologue

2002年10月23日(水) KATAN DOLL

『天野可淡』さんの人形展を観て来た(←小説は?更新は?(;;))

写真集を購入したのはもう10年近く前になるが、
その時既に可淡さんはバイク事故でこの世を去っていた。

アンティーク人形は高価で手が出ないので、
「じゃ、自分で造ってみよう」と思ったのが可淡さんが人形製作を始めた理由だそうだ。

“まるで少女が砂遊びでもするかの様に”可淡さんが造っていた人形達は、
哀切な憂いを秘めた表情をしている。
月光を映す水面の様に煌く瞳に見つめられると、不思議な懐かしさを覚えてしまう。

可淡さんの個展は滅多に開催されなくなっていて、
実物を観る事が出来たのは今回が初めてだったので感無量だ。

人形達はどの娘たちも魅力的だった。
写真よりもずっと美しい彼女達の艶やかな瞳に時間を忘れて魅入ってしまった。

平日の夕方だった所為も有り、
客足は少なかったが、そのお陰で1体1体ゆっくり観られて嬉しかった(^^)

(自分も含めて)皆、可淡さんの人形に対して、いろいろな思い入れが有るのだろうと
暗黙の内に感じられてしまう位、
それぞれの人形に対してきちんと真正面から向かい合って観ている人が大半だった。

駐車場を改造した会場も、
照明に蝋燭やランプを多用してあったり、
薔薇やアンティーク小物等でゴシックで幻想的な空間にディスプレイされていて、
とても素敵だった。

人形達もわざといびつなポーズを取らせて有ったり、着物と一緒に絡めて有ったり、
女郎部屋を想起させるレイアウトの中に置かれてあったりして、
主催した方の可淡さんへの人形への思い入れの深さも感じられた。

やっぱり人形は良いなぁと思う。
手先が不器用な自分も、実は造ってみたいとヒソカに夢見ているのだが、
なかなか実現しない。

何かを造るのは本当に大変で難しい事だけれど、
稚拙な自分も頑張っていろいろ造って行ければ良いなと、
可淡さんの人形を眺めながら感じた。


■天野可淡展■
2002年10月12日(土)〜27日(日)14:00〜19:00

■開催会場■
Maria Croche(マリアクローチェ)台東区元浅草1-8-11 銀線ビルB1

■アクセス■
地下鉄・大江戸線/新御徒町A4出口より徒歩約2分
銀座線/稲荷町より春日通りへ向かい徒歩約7分

■入場料■
¥900 TAX込


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