Monologue

2002年10月09日(水) 春夏秋冬

どの季節が好きか?と問われると、以前は迷わず『夏』と答えていたのだが、
最近は猛暑の所為か歳の所為か夏バテが酷いし、素直に好きと言えなくなってしまった。

かと言って、他の季節が好きなのか?と云うとそうでも無い。

寒がりなので『冬』は大嫌いだし、
『春』や『秋』も寒かったり暑かったり中途半端な印象が有るのでやはり好きとは言えない。

以前、あるアメリカ人女性がおっしゃっていたのだが、
日本と云う国は四季が有るので、環境としてはかなり過ごし難いのだそうだ。

「寒暖の差は激しいし、湿気も多い。こんな環境で暮らしている日本人は大変だ」と
彼女は言う。

生まれた時から日本に居る所為か「大変だ」と云う自覚は無いが、
彼女が普段暮らしているロス・アンジェルスの穏やかな気候、
「毎日、毎日、青い空、輝く太陽、さわやかな風、エヴリディ・ベリーハッピー♪」と
云う話を聴くと、ちょっと良いなァと思う。


……と、そんな話をダンスのレッスン帰りに皆としていると、

T内さんが可愛らしい瞳をキッと吊り上げてこう言い放った。

「アタシ、絶対『冬』がいい!!」

もしや、彼女は北国生まれなのか?と一瞬考えたが、違った。

「だって『冬』だけなのよ!花粉が飛ばないのは!!!」

激しい憤りに満ちた彼女の口調に、並んで一緒に帰っていた二人も大きく肯いた。

「そう!花粉が飛ぶから『春』は絶対大嫌い!!」と……

自分は幸い花粉症では無いので、彼女達の苦しみを判ってあげられないのだが、

かなり苦しいらしい。

T内さんは、花粉を飛ばしている木の種類に依って鼻水の出方や症状に違いが有るので、
その花粉が『杉』だ、とか『楡』だとか判るのだそうだ。

凄いと云えるのかもしれないが、もし得られたとしても全然嬉しくない能力だ。

そう思っていると、K村さんも大きく肯いた。

「アタシは『杉』や『楡』だけじゃ無く『稲』にも弱いからすぐ判る!」

『稲』ってあの田んぼで実る程、頭を垂れているあの『稲』だろうか?

だからK村さんは「『秋』も嫌い」なのだそうだ。


それにしても本当に『花粉症』の方は大変だと思う。

『杉』だけで無く『楡』や『稲』にまでアレルギーが出るなんて、
花粉症では無い自分には予想も付かない苦しみなのだろう。

『夏』と『冬』は苦手でも『春』と『夏』は健やかに過ごせる自分は幸いなのだと痛感した。


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