「ざ……ざ・なぁ〜いとめあ・おぶ・ぞ・…ぞるでぃっく……?」
「違ーうっ!!」
たどたどしく英語の教科書を読み上げるレオリオの発音に対して、
容赦無く飛ぶクラピカの罵声がアパートの室内に響き渡る。 「・・…the nightmare of ZAOLDYECK……だ、やってみろ」
「ざ……ざ・なぁ〜いとめあ・おぶ・ぞ・…ぞ・ぞるでぃうっく……?」
「違う!!・…the nightmare of ZAOLDYECK……だ!!」
クラピカの流麗な発音にヒュ〜♪と口笛を吹き鳴らすと、
「……先生、やっぱ発音イイなぁ……」
「感心している場合か?」
バンッ!と、教科書と筆記用具が広げられているテーブルの上を右掌で思い切り叩く。
「明日リーディングのテストが有るから“特訓してくれ〜”と、
泣き付いて来たのはお前では無いか!?もう少し真面目に取り組んだらどうなのだ?」
チッ…と、レオリオは悔しそうに舌打ちすると、
「わーったよ……」
渋々ながらも、レオリオは再び教科書の例文を読み上げ始める。
「ざ……ざ・なぁ〜いとめあ・おぶ・ぞ・…ぞるでぃっく……?」
「ちっがーう…っ!!」
クラピカは大きな瞳をキッと鋭く吊り上げると、
「少しは発音記号と云う物を考えたらどうなのだ?
舌の使い方がまるっきりなってないぞ!!」
「ふ〜ん……舌の使い方なら、オレ、すんげェ自信有んだけどな♪」
意味有り気にニヤリと微笑むレオリオをわざと無視しながら、
「良いか?こうだ!!……the nightmare of……・・」
ス……ッと、
流暢な発音を紡ぎ出すクラピカの唇が、レオリオの唇に依って塞がれた。
「ん……っ…」
苦し気な呻きが漏れる唇に差し入れられた彼の舌が、口腔内を隈無く弄る……
「こう?先生……」
長い口付けの後、ようやく唇を離したレオリオに向かって、
「バ……バカ……ッ!!何を考えているのだ?お前はッ!!!」
耳まで真っ赤に染まりながら、クラピカは怒鳴る。
だが、レオリオは悪びれもせずに、
「で、どうよ?……オレの舌の使い方……」
そう尋ねながら、クラピカの瞳をじ…っと覗き込む。
「……そんなに、強く突き出す必要は、無い……」
プィ…と拗ねた様に視線を逸らして俯くと、まるで独り言の様に小声で呟いた。
「へぇ……じゃ、こう?」
レオリオはククッと微笑うと、
再びクラピカの唇に自らの唇を重ねて、そっと舌を挿し入れる……
(……ちょっと久々『学校へ行こう』シリーズ(^^;))
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