| 2002年06月29日(土) |
レオリオ君の恋人(かなり下品なので苦手な方はご注意下さい) |
(前回までのあらすじ) ニセ・クラピカよりも美味しい『お弁当』を造る為に山へ修行に行ってしまったクラピカ。 彼が帰って来るのを、 レオリオは星型のお家で、ず〜っと待ち続けているのであった。
「あ〜あ……腹減ったなぁ」
レオリオは溜息混じりに寂しそうに呟きながら、 ゛グゥグゥ“と泣き喚く空きっ腹を右掌で撫でた。
「早く帰って来ねぇかなぁ?クラピカの奴…… 毎日、毎日『レオリおじや』と『クラピカニピラフ』ばっかりで飽き飽きしちまったぜ……」
そう一人ごちていると、
゛トントン……トントン……“と小さな小さな音が聞えた。
(ん?何だ?)
レオリオが注意深く耳を澄ませてみると、
“トントン……トントン……“と小さな小さな音は繰り返し繰り返し鳴り続けている。
音のする方を探って行くと…… どうやら誰かが星型のお家のドアをノックしている音らしい。
わざわざノックしていると云う事は、このノックの主はクラピカでは無い筈だ。
レオリオはいささか落胆しながら、
「誰だ?」と、ぶっきらぼうに尋ねた。 「私だ!レオリオ!!」
その高飛車な物言いと、 テープを早回しにした様な奇妙に甲高いその声にレオリオは聴き覚えが有った。
「さっさと此処を開けるのだよ!!」
言われた通りドアを引いて開けてやる……と、
「うわっ!!」と小さく叫びながら、 星型のお家の中にコロコロコロン……と転がり込んだのは、 身長3センチ程のクラピカに瓜二つの妖精だった。
「突然開けるな!吃驚するでは無いか!!」
「何だよ……ミニ・クラピカじゃねェか?」
転がり込んだ際、床にぶつけたらしい小さい頭をこすりながら、
「『森に住む愛らしい妖精』のミニ・クラピカなのだよ!」と、 ぶつぶつ言っているミニ・クラピカをひょいと摘んで、
「どうした?ま〜た迷子になっちまったのか?」 そう言い乍らレオリオが右掌に乗せてやると、
ミニ・クラピカは首を横に振り乍ら、 「私は、先日キミに助けて貰った恩返しに、わざわざ来てやったのだよ」
「恩返しだと?」
レオリオの言葉にミニ・クラピカはコクンと肯くと、
「妖精には『助けて貰った人間には必ず恩返しをしなければならない』という掟が有るのだ」
「ほぉ、そいつぁイイ掟じゃねぇか……」
「さぁ、願い事を言え!!」
「そうだなぁ……」
(やっぱ金か?……それとも水着の似合う綺麗なお姉さんvvを沢山出して貰うとか……)
レオリオが左手で顎を擦りながら、思考錯誤を巡らせていると、
゛グゥ〜グゥ〜キュルルル〜〜“と腹の虫が元気良く泣き喚いた。
(やっぱコイツを黙らせるのが先決だな……)
「んじゃ、まず何か美味ェモン、食わせてくれねぇか?……腹減ってんだよ」
レオリオがそう言うと、 ミニ・クラピカはグッと息を呑んで、そのまま俯いてしまった。
「おい?どうしたんだよ?……恩返ししてくれんだろ?」
(やっぱ口だけかよ、コイツ……)
嘆息しながら、人差し指の先でミニ・クラピカを軽く突付こうとすると、
ミニ・クラピカは小さな金髪の頭を上げて、こう叫んだ。
「わ……私を食べてくれ!レオリオ!」
「………は?」
予想外の言葉にレオリオは絶句する。
「お前の事だからてっきり『金』とか『水着の似合うキレイな姉ちゃん』とか…… そう云う俗物的な願い事だろうと思っていたのだ。
私は今、この身体以外にお前に食べさせてやれる物は何も持って来ていないのだ!! だから……」
そう言うが早いか、ミニ・クラピカはピョ〜ンとレオリオの右掌から飛び降りると、 背中に背負っていた自分のお椀の中に、 レオリオの部屋のテーブルの上の湯沸しポットの注ぎ口を全身で押してお湯を張った。
「お、おい!ちょっと待て!早まるなッ!!」
「今から禊をして身を清めるのだよ!!」
レオリオの言葉には全く耳を貸さずに、 衣服を脱いで素裸になると、お椀の中にドボンと飛び込んだ。
小さな頭に畳んだ手拭いを乗せると、
「゛べんけい〜♪シクシク〜よかわを〜わたる〜♪べべべんべん〜♪゛とくらぁ〜…」
「………どう見てもくつろいでんじゃねぇかよ?」
「さ、禊は終わったぞ!レオリオ、遠慮せずに私を食べろ!」
濡れた身体を手拭でゴシゴシと拭くと、 ミニ・クラピカはレオリオの右掌の上にゴロンと大の字になった。
「食べろ…って、おい……」
「良いから早くしろ!!」
とても恩返しとは思えない高飛車な口調で言い放つと、 ミニ・クラピカは覚悟を決めた表情でギュッと瞳を瞑った。
(いきなり゛私を食べろ…゛って言われてもなぁ……)
レオリオは左手で自分の頭をガリガリと掻き乍ら、
(こんな事なら素直に『金』か『水着ギャル』を願っとくんだったぜ……)
困惑しながら、
レオリオは拡げた右掌の中のミニ・クラピカに視線を落とした。
(こんなに小せぇのに……)
レオリオの右掌の中の小さな身体は、細部に至るまで、クラピカとそっくり同じだった。
ふと……
軽い悪戯心を起こして、 ペろっと舌先で触れてみる……と、
「あ…ッ!」
ピク…ッと小さな身体を痙攣させながら、ミニ・クラピカは艶やかな声を上げた。
レオリオは、小刻みに震えている身体全体に、
゛チュッ、チュッ、チュッ……”とキスの雨を降らせて行く……
「や…やめ…ッ…!!」
すぼめた舌の先端で、ピンク色に上気した小さな身体の隅々までチロチロと舐めてやると、
「あぁ・…んッ…!」
レオリオの舌の愛撫に反応して、
快感に身を捩る仕草も、
甘える様な喘ぎ声も、
何もかも、クラピカと同じで……レオリオは興奮する。
「ア…ァ…ク…ゥッ!!」
背骨を湾曲させながら、ミニ・クラピカがレオリオの舌の上に放った白い雫は、 しょっぱくて、少し苦い…涙に似た味がした……
「……私を、食べないのか?」
タオルとハンカチで作った即席の小さなベッドの上で不満気に呟くミニ・クラピカに、 背中を向けたまま、レオリオは自分のベッドに横たわる。
「もう食ったじゃねぇかよ……」
ミニ・クラピカは不思議そうに首を傾げる。
「しかし……これでは恩返しにならないでは無いか?お前は……」
「っるせーな!つべこべ言ってねぇで、さっさと寝ろ!」 レオリオの怒声にミニ・クラピカはグッと言葉に詰まって黙り込む。
「明日、ちゃんと河まで送ってやるからよ……」
拗ねた子供みたいな口調でレオリオは呟いた。
やがて、
゛スゥスゥ……゛と寝息を立て始めたミニ・クラピカの姿を遥か上から見下ろし、 指先で小さな金髪の頭を撫でてやりながら、フゥ…とレオリオは溜息を吐く。
「早く……身も心も腹いっぱいになりてぇなぁ……」
その頃、
『ジャイアント・クラピカ・ロボ』が恩返しの為に(←何のだ?)
星型のお家に接近しつつあった……
冒険は、まだまだ続く……のかも?(^^;)
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