| 2002年03月30日(土) |
『大きなシッポの古時計』日記(暗い話の苦手な方はご遠慮下さい) |
3月24日の『HHR』レオ×クラ×ンドネタ・未聴の方、ごめんなさい。
(勝手に後半を想像してみました。暗い展開&くだらないネタですみません)
「お〜おきな、シッポの・・・古時計〜♪・・・とても〜怖い・・・時計〜♪」
何だかくだらないダジャレの歌を、
ぶつぶつと、まるで呟くみたいに……
俺の背中に背負われたまま、クラピカはずっと歌い続けている。
『レオクランド』の南のジャングルで俺達は巨大怪獣『ゴンザウルス』に遭遇した。
死闘の末『ゴンザウルス』は何とか倒した。
クラピカは身体の傷はすぐ回復したが、 心だけは『ゴンザウルス』に踏み潰されちまったまま……元には戻らなかった。
いびつな形の心を抱えたまま、すっかり軽くなっちまったクラピカの身体を背負って、
俺はどこまでもどこまでも『レオクランド』の荒野を歩いて行く。
「お〜おきな、シッポの・・・古時計〜♪・・・とても〜怖い・・・時計〜♪」
いろんな薬草を試したが効き目は無かった。
出遭った医者に診て貰ったが、 「これと言った治療法は有りません。 彼の心を踏み潰したのは、怪獣の足への『恐怖』です。 ゆっくり時間を掛けて、元に戻してやるしか術は有りません」
医者共が口を揃えて言った言葉を想起する。
そうか…そうだよなぁ…… 怪獣に踏み潰されちまったんだもんな……スゲェ怖かったんだろう…?
問い掛けてみても、クラピカは、
「お〜おきな、シッポの・・・古時計〜♪・・・とても〜怖い・・・時計〜♪」
虚ろな声で歌うばかりだ。 ……でもちゃんと、答えてはいる。
「とても……怖い」と。
今でも「怖い」んだろうか? だから、こうやって俺の背中の上で、ずっと歌い続けているんだろうか……?
怒った時のクラピカの瞳みたいに真っ赤な夕陽が地平線に沈んで行く。
「ここらへんで、そろそろメシ喰うか?」 と、クラピカの身体を下ろす。
鞄から取り出した固形燃料にライターで火を点けて、その上に米と水を入れた鍋を乗せる。
「もうすぐ出来っからな……『特製レオリおじや』」
“またか?毎日それではないか!” と、生意気に突っ掛かって来る筈の相方は、ぼんやり火を見つめたまま……
「お〜おきな、シッポの・・・古時計〜♪・・・とても〜怖い・・・時計〜♪」
やはり、歌い続けている。
“ゆっくり時間を掛けて、元に戻してやるしか有りません”
踏み潰されてしまった彼の心が、元に戻るには、一体どれ位の時間が掛かるのだろう?
苦い気分でタバコを咥えて火を点ける。
やがて“コトコトコト……”と『レオリおじや』が食欲をそそる匂いを立てながら煮えた。
お椀に入れて、スプーンですくい、 “フーフー”と息を掛けて冷ましてから、クラピカの口元へ運んでやる。
「ほらよ」
俺の声が聞こえているのか?
それとも…… 匂いに反応しているのか?
スプーンが見えているのか?
理由は判らないが、クラピカは歌うのを止めて唇を開き『レオリおじや』を食べてくれる。
ようやく……食べてくれる様になった。
『踏み潰されちまった』頃は、自分でメシを喰う事も出来なかった。
しばらくの間は口移しでメシを喰わせていた。
ヒナにエサをやる親鳥みたいな気分で……
「美味いか……?」
尋ねても、反応は返って来ない……
でも、いつか…必ず……
食事を終えた後、
寝袋にクラピカを入れてチャックを閉めて、自分も火の傍に横たわる。
「……・・ ・」
ふと気付くと、クラピカが小声で何か呟いている。 また歌っているのか…?と思ったが、どうやら違うらしい。
「・…もんじゃ…って……どんな・モンじゃ……」
何故か・・・クラピカは時々、うわごとの様に『ダジャレ』を連発する。 俺と雪山で『ダジャレ対決』した時の事でも思い出しているんだろうか?
俺は、クラピカの隣に移動する。 すぐ隣に寝転がって、耳元に唇を寄せ、 「牛の生肉……って、ユッケってゆーっけ?」 囁いてやると、 彼は反応して“あははは……”と微笑う。 何故なのかは良く判らねぇが『ダジャレ』は、ちゃんと聴こえるらしい……
何発か『ダジャレ』を連発し合った後、 クラピカはぼそり……と呟く。
「コチジャン……は何処だ?……」
意味が判らず、俺は首を傾げる。
「コッチじゃん!」 言いながら、一人で“ははは……”と、彼は微笑った。 俺も……くだらなさに思わず笑った。
こうやって 穏やかな時間を繰り返して行く内に……
いつか、お前の心も『コッチ』に戻って来るといいなと、祈りながら……
ダメだ、こりゃ(^^;) 皆様……本当にごめんなさい(涙) 実際の放送ではクラピカはちゃんと助かって欲しいと思ってます(本当です)
|