| 2002年03月28日(木) |
『彦馬がゆく』を観にゆく(観覧予定の方はご注意下さい) |
昨夜、今年2本目の舞台を観て来た。
『彦馬がゆく』 作・演出 三谷幸喜 ル・テアトル銀座
三谷幸喜さんの舞台は、ずーっと観てみたかったのだが、ようやく念願が叶った。
しかも、
とーっても面白かったので、大満足している(^^)
時は文政2年
幕末の時代を生きる一人の写真家・・・・神田彦馬(とその一家)
そして、
坂本竜馬や桂小五郎(後の木戸考充)高杉晋作、近藤勇、西郷隆盛ら、
彦馬に『写真』を撮られながら、動乱の歴史を熱く駆け抜けて行った男達の物語。
・・・・こう書くとシリアスでおカタイ『大河ドラマ』に感じられてしまうのだが、
『歴史』を動かした男達だって人間だ。
始終難しい事ばかり考えていた訳では無い。
時に笑い、時に怒り、涙し、恋し・・・・
少なくとも彦馬の撮った『写真』の中での彼らは、
「今迄の人生の中で一番愉快だった事を思い出して」いるのだ。
彦馬はいつもお客にそうして貰って『写真』を撮っていたから……
(これって・・・すごく素敵な事だなぁ・・・と思ってしまった)
現在は『写真』はシャッターを押すだけで簡単に撮れてしまう。
『生涯記念の一枚』から『家族の記念日』・・・
『毎日の記録』から『日常』のささいな事まで『写真』に収められて行く。
(デジタルカメラの場合は、現像せず消去してしまう事も多い)
それはそれで良いのだが・・・・
先日書いた『修学旅行』の『後日談』で、 レオリオがクラピカの写真を撮る話は単なる思い付きなのだが、
読んで下さった皆様からの(いつもありがとうございます^^)
「私も好きな人をこっそり隠し撮りしましたvv」と言う書き込みを拝見して、
「やはり『写真』て良いものなんだな〜」としみじみ思ってはいたのだ・・・が!
『彦馬がゆく』の劇中の撮影シーンで、
長時間、じっと動いちゃいけない・・・・という位は知っていたが、
実際に台詞付きでやるのを見ると・・・・
「『写真』を撮るのって・・・こ〜んなに大変だったの?」と、吃驚してしまった。
思わず帰宅後、老体に鞭打ってお馬鹿な『日記』を書いてしまった程(^^;)
(やはり、ちっとも上手くは表現出来ていないが・・・・涙)
三谷さんの舞台は、とても面白かった。
ギャグセンス・ユーモアも抜群に利いているが、『幕末』と言う『動乱』の時代を動かそうとする男達、それによって翻弄される人々が生き生きと描かれている。
彦馬役の小日向文世さんは『木更津キャッツアイ』での役を彷彿とさせる、 家族を愛する温かみの有る普通(?)の・・・ でも『写真家』という仕事に常に誇りを持った素敵なお父さんだった。
松金よね子さん演じるしっかり者のお母さんや、筒井道隆さんの次男役も真面目で可愛かったvv
梶原善さん演じる桂小五郎の存在感も凄かったし、他の役者さんも皆、上手くて生き生きしていた。
でも特に ラスト間際のシーンで・・・
酒井美紀さん演じる長女・小豆が、かつての恋人・坂本竜馬を、 振り向いて貰えなくても、ずっと心の何処かで好きだと想い続けていた・・・と 判るシーンで、不覚にも泣いてしまった。
一途な恋というのは、やっぱり良いなぁ・・・
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