Monologue

2002年03月06日(水)

「『アレ』もしたい♪『コレ』もしたい♪『ソレ』もしたい♪もっともっとしたい〜♪」

『ヨークシン中学校』2年生の番長であるレオリオは屋上の手すりに片肘を付いて

広い校庭や高層ビルの立ち並ぶ、遠くの街並みを眺めながら、ふとそんな歌を口ずさむ。

最近のドラマの主題歌らしいが、流行ったのはもう十年以上前らしい。
『リバイバル』というヤツ。

「俺には夢がある〜♪」

「・・・・・どんな夢があるんだ?レオリオ」

背後から声が掛けられた聴き慣れた声にレオリオは振り返らないまま、歌うのを止める。

声の主・・・・彼の担任教師のクラピカは、レオリオのすぐ右横の手すりに両肘を軽く掛ける。

「夢があってそれを叶えたいなら、まずちゃんと進級して学校を卒業しないとな・・・」

ケッ・・・と、レオリオは唾を吐き捨てる。

「夢の無ぇ事言うなよ・・・先生」

「どんな・・・夢なんだ?」

傍らの、レオリオより20cm程背が低い担任教師は薄く微笑して尋ねる。

「あん?」

「良かったら聴かせてくれないか?お前の夢というヤツを・・・」

「ンなモン聴いてどうすんだよ?」

「別にどうもしない。ただ担任教師として興味があるだけだ」


「俺の夢ねェ・・・・・・・」

しばし遠くのビル街に瞳をやり、考えを巡らせた後、
ニヤリと口の端を歪めると、

「・・・・・・・先生のバージンを奪う事、かな?」

バキ・・・・・ッ!!

次の瞬間、レオリオは『出席簿』で思いっ切り脳天を直撃された。

「ってーな!何すんだよ!校内暴力反対・・・」

「何が『バージン』だ!私は男だ!何度言えば判るんだ!」

「わーってるって・・・先生が『バージン』みてぇに可愛いからよ♪
それに『バージン』は『バージン』なんだろ?前も後も・・・・

再びクラピカが脳天に向かって振り下ろした『出席簿』をレオリオは容易く回避する。

“キンコーン・・・・カンコーン・・・・・・”

始業を告げるチャイムが鳴り響く。

「ほら!授業が始まるぞ!!さっさと教室に来い!」

踵を返して歩み去って行くクラピカの後を、
レオリオはへへっと微笑いながら両手をポケットに突っ込み、追いて行く・・・・


『アレ』も欲しい

『コレ』も欲しい

『ソレ』も欲しい

もっともっと欲しい・・・・・



「なぁ・・・卒業出来たら、ヤらしてくれよ♪先生」

「その前に進級しろっ!!」
               


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