Monologue

2002年03月02日(土) 失業率10.5% 失業者110万人

昨日、会社のM常務に呼び出された。

不安を抱えドキドキしながらM常務の前に座る。

“カチッ”とライターで煙草に火を点けながら、ニヤリ・・・と意地悪い微笑を浮かべる。

「俺が呼んだって事は・・・良い話じゃねぇよ?」

ドキッ・・・!!

ついに来たか?

怖れていた『解雇宣告』(涙)


自分はもう若くないし、学歴も無い。

こういう世の中だし、いつそれを言われるか?と言う覚悟は毎日していた。

でも・・・・・

(どうしよう・・・ウチには年取った母と年取った犬が・・・)

悲観的な考えを巡らせていると、

M常務は“フーッ”と溜息を吐きながら、言った。


「実は・・・経理のHさん、辞めちゃうんだよ、3月で」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?

「あとやっぱり経理のAさん、辞めるとはまだ言ってないけど、欠勤多いから、多分ダメ。
きっとそろそろ辞めちゃう」

どうやら自分を辞めさせる話では無いらしいので、取り合えずホッとしつつも耳を疑う。

HさんとAさんは超人手不足な『経理』に入って、僅か3ヶ月。
せっかく慣れてくれたのに・・・辞められたら『経理』がまたパンクしてしまう。

「それから督促のTさんも」

更に耳を疑う。

人当たりの良い彼女が仕事に不満を持っている様には見えなかったが・・・

「あと『大阪営業所』のNさんとTさんも・・・大阪のO所長と合わないんだってよ」

更に更に耳を疑う・・・

NさんとTさんとは直接会った事は無いが、毎日電話のやり取りを交わしているので、
とても身近に感じていたのだ。


「俺としては、辞めて欲しく無いのにさ・・・」

M常務は“ハァー”と、また溜息を吐いた。

「『派遣』さんは『派遣会社』には事前に相談してても、俺達(『派遣先企業)』には「もう辞める事になってます」って突然言うし、『派遣』さんだから『慰留』も出来ないし・・・」

(*『慰留』・・・・
「もう少しだけ(たとえば代わりが見付かるまで)辞めないでくれ」と引き止める事)

「何で、雇い主である筈の俺達の方が立場が弱いんだよ」



結局、私への『良くない話』の内容とは、
「辞める人の代わりに、しばらく『経理』の仕事を手伝って貰うから」だった。

『解雇宣告』で無くて、心底ホッとした。


だがやはり油断は出来ない。

『それ』を言われる日が何時来ても不思議では無いのが今の社会情勢なのだ(怖)

万一『それ』を言われても『失業保険』だけはキッチリ受け取れる様、今後も頑張ろうと考えている(いやマジで)


いきなり「3月で辞めます」宣言をした『督促』のTちゃんに辞める理由を聞いてみたら、

「今の仕事に飽きたから・・・他の仕事がしてみたくなったの」と、さらりと答えた。

「次の仕事は?」と尋いたら、
「まだ決まってない」


だったら辞めるなよ(涙)

かなり勿体無いと思うのだ。
『オバチャン』としては・・・・


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