親の誕生日は、親だけで勝手に祝うということにして２年目。ジュンコも大学生になったことだし、今年は初めて夫婦二人で一泊旅行に挑戦してみた。
あらかじめジュンコに帰ってきてもらっておき、夕食はほとんど作っておいて、準備万端整えて、家を出ようとしたところ。やっぱり、ノイノイが「お母さんと離ればなれはイヤなのーーー！」と泣き始めてしまった。出かける30分くらい前から、ノイノイちゃん、お約束（お父さんとお母さんは１日だけお泊まりのお出かけに行くから、ジュンコと一緒に姉兄妹仲良くお留守番をする）したから、泣かないから、ぎゅーってして、握手でバイバイするよ、と言っては、早々とぎゅーっだの、握手でバイバイだのしてしまったのがいけなかった。
まさに玄関を出る頃になって、もう耐えられなくなったという感じで、「やなのーーー！ノイノイも一緒に行くのーーーー！あ゛ーーー夜お母さんが横にいないとイヤなのーこわいのーーー！」とコワイ妄想がむくむくと膨れあがり、自転車に無理矢理乗ろうとするわ、私の腰にまとわりついて離れないわで、大騒ぎだ。
それに比べて、ジュンコは当然平然としているし、ユイマも「ノイノイどーしたの？」ときょとんとし、ぷみぷみに至っては玄関に出ても来ない。
それぞれ対応の違いが鮮やかに！（笑）
かなり苦労したが、ノイノイは何とかかんとかなだめて、とにかく出発した。
そして。
我々夫婦はとっくの昔に京都について、夜の街を散歩しているときだから、すでに家を出てから６時間ほど経っていた頃だろうか。こんどはぷみぷみから携帯に電話がかかってきた。
いきなり電話口でしゃくりあげて泣いている声。ノイノイなのかぷみぷみなのかわからず、だれですか？と聞くと、「うっうっうっ、ぷっみっぷっみっでっすっ、うっうっうっ」とほとんど切れ切れで言葉にならない。ノイノイと喧嘩でもして負かされて泣いて電話してきたのかと思いきや「良く考えたらお母さんがいなくて寂しくなって泣いてしまった」のだそうだ。
今更「さっびっしいのぉ〜おっおっおっ」としゃくりあげるので、私も困ってしまって、「おいしいビーフシチューを作っておいたから、ジュンコにジャガイモ足してもらってもっとおいしくなってるはずだから、それを食べれば元気が出るよ。大丈夫だよ。」と一生懸命なだめるしかない。
さらに「アニメチャングムも見て良いよ、７時だったっけ？今日は、見てもいいよ」と優しく言い足したら、泣いていたはずのぷみぷみ、
「え？７時？７時半じゃん？」
といきなりそこだけまともな声になって反応するので、ホントに悲しいのか？？と疑念を抱きつつ、電話を切ったのであった。
そのあと１時間ほどして、また電話。「お母さんのビーフシチュー食べたら元気になったよ」だそうだ。やれやれ。アニメチャングムもしっかり見たらしい。
ところで、このしゃくりあげ泣きぷみぷみ電話の前後のノイノイだが、彼女は至って元気で、お母さんの電話に出たがるでもなく、何が楽しいのか、まわりで元気に騒いでいる声がするだけ。
あいつ、出掛けにあんなに泣いたくせに、全然さびしがってなんかいないじゃないかーーー！とジュンコに言ったら、ちょっと泣いてたけど、昼ごはんに「たらこスパゲティ」食わしたら、急ににこにこになっちゃって機嫌良くなったよ、と証言。
ったく。疲れたぜ。
ちなみに、たらこスパゲティはジュンコお手製。助かります。
で、ユイマは、といえば、土曜午後は塾に行って全然家におらず。そして、日曜は日曜で、バスケの試合を見に行ったりして、楽しい連休を過ごしたのだそうな。一日二日親がいてもいなくても全然関係ない、というのが中学一年男子のようだ。
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