ここのところユイマは6月3日の体育祭に向けて毎朝、朝練。朝7時過ぎには家を出ていく生活だ。 そして、昨日は予行練習。予行練習だから朝練は無いが「ボク、整美委員だから倉庫前に7時50分までに集まらなくちゃいけないんだ。」と言って、人より早く出かけていったのだった。何をするのか知らないが、体育祭で、整美委員はたくさん仕事があるらしい。
で、昨日は7時過ぎに帰宅。遅い。 予行練習した上にクラブもやってきたのだそうだ。
疲れているのか、なんだか機嫌が悪い。どうだった?予行練習は、と声をかけるが、いやそうに、「別に。」 あまりの不機嫌さに、どうしたの、何かあったの?と聞くと「言いたくない。もうやだ。何もかもやだ」 何を聞いても、答えたくない、というので、聞くのをやめてそのまま放っておいた。 夕食も下を向いて何もしゃべらず食べる。ずっと黙ったまま食事を終え、歯磨きしてさっさと2階に行ってしまった。 寝る前に、「おやすみなさい」という声は聞こえたが。
そして今朝も朝練。6時に起きたユイマに起こされた私。眠いよー。 下二人はまだすーすー寝ている。 でも頑張って起きて、下におりて朝ご飯の支度をしてやり(昨日のカレーをもう一度食べさせただけだが)食卓に二人だけだったので、ねぇ、昨日はいったい何があったの?ともう一度聞いてみた。
そしたら、やっと話してくれた。実はこういうことだった。
予行練習中、整美委員の仕事があって、そっちに行っていたら、自分がエントリーしている400メートル走の集合に遅れてしまい、結果として競技をボイコットしたことになってしまった。お友達から、何で来ないんだ、バカだアホだ、なにやってんだ、とさんざんバカにされてしまった。それがすごくイヤだった。
なので、私は、ユイマは整美委員の仕事をちゃんとやろうとしたから、遅れたんでしょ?責任を果たそうとしたんだから、それはそれで偉いじゃない。さぼったわけじゃないんだから、人が何を言おうと関係ないよ。
と言うと、「関係あるよ。大ありだよ。」と答えるのが精一杯。人からバカにされて悔しいやら悲しいやら、そしてバカにされるようなことをしてしまった自分が情けないやらみっともないやら、いろんな思いが一気にあふれてきてしまったのだろう。下を向いたまま涙がぽろぽろこぼれ落ちてきた。
そして、
ボクはダメだ。 バスケだって後から入ってきた人の方が上手になる。シュートなんて全然決まらない。 社会や理科だって、ボクは頭が悪いからすぐ忘れてしまう。10点満点の2点くらいしか点が取れない。 他の人はできていることを、なんでボクは出来ないのか。本当にいやになる。 何をやっても楽しくない。
と、最後はなにもかも悲しくなってしまった。
こういうユイマを見ると私もいつも胸が締め付けられるような悲しい気持ちになる。 意外とユイマは自己評価が低い子供なのだ。そして、特にお友達からの心ない言葉には傷つきやすい。
しばらくユイマの悲しみの言葉数々を聞いてやった。そして、
確かに要領は悪いかもしれないけれど、ユイマは誠実な子供だよ。だから、競技に遅れたくらいで、バカにする奴らの方が悪いんだよ。小学校なら○○の選手はどこそこに集まれーとか放送で教えてくれたりするけれど、中学校は無いのねー、とか、本番はがんばればいいじゃない、とか、その合間にも、ごはん、ほら、食べなさい、と促したりしていたら、一応泣きやんだ様子。
7時35分集合だから、と7時15分には家を出ていったユイマ君。今日一日、楽しく過ごせただろうか。
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