ピアノ教室で次の課題曲が「魔女の宅急便」のテーマになるらしいので、今一度家でビデオを見せることにした。お父さんとユイマは奥多摩へ登山に出かけてしまったので、女子供ばかりの昼下がり。お行儀良く椅子に座って並んでテレビ画面に見入るぷみぷみとノイノイ。
さて、夕食時。ジュンコを交えて4人の食事。魔女の宅急便を見たと聞いて、ジュンコがぷみぷみに訊ねる。「どこが一番おもしろかった?」 すると、ぷみぷみは、「牛に足の裏をくすぐられたときが面白かった。」だの、「空を飛んでいるときに、海が見えるところが良かった」など、周辺的な感想ばかりで、この作品の本質に迫る発言が無い。
あの物語は、キキという少女が、魔女の家系に生まれたばかりに13歳で独り立ちしなくちゃいけない、というところから始まって、たった一つの取り柄だった空を飛ぶことが出来なくなってしまったり、クロネコのジジの言葉が分からなくなってしまったり、好きになりかけた男の子に冷たくしてしまったり・・・とにかく、色々色々困難な経験を乗り越えて成長していく物語なのだ。しかし、要所要所、山場と思われる場面の感想を聞くも、すべて、「別に何にも思わなかった」という答え以外得られない。
そこで、ついにしびれを切らした私は(笑)「じゃ、キキがトンボを助けたところも何も感じなかったの?感動しなかったの?」と聞いてしまった。
すると、ぷみぷみ、かぶりを振って
「女の子が男の子を助けるなんて、何か変だなと思った。だって、女の子を助けるのは男の子の方でしょ!」
出たーーーーーー!ぷみぷみの問題発言!!! 私とジュンコは顔を見合わせる。そして、
だって、プリキュアとかセーラームーンとか、みんな女の子が闘っているじゃないの? というと、「あれは良いの。」という。 ということは、女の子が世界を救うために闘うのはいいけど、女の子を救うのは男の子じゃなくちゃだめ、ってこと??!! というと、「そうそう」と答える。
私たちは、こんな価値観、一切教えたことは無い(きっぱり) 。
彼女は、生まれたときから一貫して、お姫さま大好き、お城が大好き、王子様大好き、いつか王子様が迎えに来てくれる物語が大好きな子供である。そうした好みの一貫ぶりは、大したものだと感心するほどである。嗅覚が利くのだ、その種のものに!!(アニメ番組表から、見事に好みに合致した作品を選び出して視聴している!)だから、女の子に助けられるようなトンボは情けない、という感想は彼女の生まれつきの「好み」から考えれば、誠に自然な感想なのだ。
さて、このような娘、どのように教育すれば更正させることができるのでしょーか!?
| |