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〜〜ぱるたの子育て日記〜〜



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■…2004年05月17日(月).......青虫虐殺事件
この季節、私が帰宅した後もまだ明るい。6時半を過ぎているというのに、ユイマ、ぷみぷみ、ノイノイがお庭に出てシャボン玉遊びを始めた。まずは、シャボン玉用のストロー(口のところが少し大きくなっていて、ぎざぎざになっている)の取り合い。大体こういうものは1本しかないのだからね。ユイマ5年生とは思えぬ幼さで独り占めしてシャボン玉を吹いている。妹二人は、アタシにも貸して〜貸して〜と騒ぐ。すったもんだしたあげく、家のストロー(ごく普通の)を1本出して、シャボン玉用のストローを妹に貸して何とか騒ぎが収まった・・・・・か、と思っていたら、しばらくして、ユイマが暗い顔で家に入ってきた。

どうしたの、と聞くと、「あのね、シャボン玉があたって青虫が死んじゃったの・・・」とやっとのことで言うと、我慢しきれなくなって声を殺して泣き出した。
え、え、どうして?なんで?と聞くと後から入ってきたぷみぷみとノイノイが、あのね、ユイマ君がふいたシャボン玉がね、あたって青虫が死んじゃったの!と同じことを言う。
さっぱりわからないので、とにかく外に出る。現場検証だ。

最近、小さな庭の一角に「ハーブ畑」を作っている。三つ葉、イタリアンパセリ、バジル、オレガノ、シソなど植えている。その、三つ葉に、アゲハチョウが卵を産み付けたらしく、幼虫がすくすくと育っている最中だった。どうやらその幼虫にシャボン玉があたって死んだらしい。

行ってみると、すっかり食べ尽くされて葉っぱが無くなった三つ葉の茎の先に、二つ折りになった青虫がへばりついている。足の部分は茎にくっついているが、胴体の途中から頭部分がくの字型に折れて、ぶらんぶらん状態。やはり死んでいるのか。ちょっと茎をゆすっても全然動かない。
やはり死んでいるようだ。

それを見てユイマついに声をあげて泣き始める。

お父さんが水をかけたら生き返るんじゃないか、というので、じょうろで少し水をかけ(それでも全然動かないし)とにかく子供たちとともにいったん家の中に引き上げた。

シャボン玉があたったって、どういうこと??と聞くと、ユイマはやっと、状況説明を始めた。

つまり、家のストロー(細いから小さいシャボン玉がいくつも連続して出る)でシャボン玉をふ〜っを吹きかけると、青虫が上体を大きく揺すって面白かったから、もっとふ〜〜ふ〜〜っとやったら、しばらく動いていた上体が急にぽきんと折れたように倒れてそのまま動かなくなってしまったのだ、と。ぎょっとしたのはユイマである。まずい!死んじゃった!僕が殺しちゃった!!!そう思うといても立ってもいられなくなってとにかく家の中に逃げてきたのだな。

「僕がいい気になってやっちゃったから、青虫が死んじゃったんだ。僕ひどいことしちゃった。どうしよう。」

そう言って、さめざめと泣くユイマ。自分のやったことに恐れおののいているようにも見える。取り返しのつかない現実に押しつぶされそうになっているようにも見える。

「どうしよう、っていったってねぇ。そうねぇ、青虫にしてみたら、上体を大きく揺すったのは面白がっていたんじゃなくて苦しかったのかも知れないねぇ。」

更に泣くユイマ。おっと、傷口を広げてしまった。まずい、まずい・・・。しばらくそっとしておこう。

すると、ぷみぷみがピアノの練習を始めた。「今日はシャボン玉をやったの。」と言って轢き始める。

ユイマ君は「僕、その曲、今は聞きたくない」と言って肩を落として2階に上がってしまった。

何と間の悪いこと、何も今日に限って「シャボン玉」じゃなくてもいいじゃないの。それとも、わざとか?ぷみぷみ。

夕食になってやっとユイマが下りてきた。はやり暗い顔のままだ。お父さんが鮫島有美子の「愛唱歌集3」などかけ始める。なんで今こんなのかけてるの?と聞くと、「シャボン玉が入っているから聞かせるんだ」だって。おいおい、更に傷口を広げる気か〜〜?!お父さん「いいのいいの」とどこ吹く風。

ユイマは「どうしよう。本当に死んじゃったら。僕どうすればいいんだろう。」とまだ言っている。お父さんに「取り返しのつかないこともあるんだよ。さ、そんなこと言ってても仕方がないんだから、とにかく、早くごはんを食べなさい!」と言われ、またもさめざめと泣くが、それでも、やっと夕食を食べ始めた。ずっとうつむいたまま。

しかし、更に間の悪いことに、青々とゆであげたブロッコリに、ぷみぷみが小さな芋虫発見!「あら、虫がいるのね、じゃ、やっぱり無農薬で安心だってことだよ」などと何食わぬ顔で虫を探してキレイに取り除こうとすると(内心ちょっと動揺する母であったが!)ユイマ、「僕、今は芋虫見たくないんだ〜」とまたもや追い打ちをかけられている「。大丈夫だよ、ユイマのところにはほとんどいなかったよ」と言うと、「1匹いたよ」とまた泣きそうだ。

食後は二階に上がって、お父さんに「オデュッセイア」の続きを読んでもらいながら眠くなって寝てしまったユイマ君でありました。


ユイマが寝た後、やっと鮫島有美子のシャボン玉の歌が始まった。
何と23曲目に入っていたのね。



庭に出てもう一度青虫を確認してみた。やはり折れたまま動きもしない。

あああ。どうするよ?青虫やっぱり死んでるみたいだよ。明日もユイマ君泣いちゃうよ。と私。

そうだね、お墓でも作らせたら。とお父さん。

そうか。明日も学校お休みだしね。お墓に埋めさせよう、うん。

・・・・・




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