球体関節人形展を一人で見に行ったジュンコの感想を聞く。本当はイノセンスを見て以来、私も行きたかったのだが、やはり二日連続で子供3人の留守番というわけにもいかず、ジュンコが一人で行ったのだ。
曰く。何のための人形なのか。人形で何を表現するのか。良いと思った作品は確かにあったけれど、半分以上は、そのあたりが食い足りない作品だった。人形と言えば、人の形をしていて、髪の毛がついている。そこが彫刻と違うところ。彫刻でなく、あえて人形を選んでいるのならば、人形としての表現があるのだろうけれど、そこがまた難しいところだね。人形が好き、というだけでは、ダメだと思う。
言葉通りに再現できてはいないと思うが、おおむねそんなことを言っていた。アートと趣味あるいは職人芸との違いってところかね?と私が聞くと、そんなことになるかな?“人はなぜこうも自分の似姿を作りたがるのか”(注:イノセンス中のセリフ)、まさにあれだよ、との答え。 ちなみに、四谷シモンは別格だったそうだ。まず素材が全然違っている。紙を使ったりしている。筋肉の表現に紙を何層にも重ねていて、おお!と思わせるものがある。とのこと。
なるほど、芸術を志す者、芸術には敏感かつ厳しいのだな。
夕食時、ぷみぷみがジュンコに「ジュンコは何色が好き?」と聞く。ものすごく答えにくそうにしているのに、ぷみぷみはお構いなしだ。困ったあげく「カドミウムブルーが今は好きです」と答えると、ぷみぷみ、「アカ、とかシロとかキイロとかそういう色でどれが好きなの?」と人の話を全然聞かずに、質問を繰り返し「シロは好き?」と食い下がる。なので、またジュンコが困って、「う〜〜ん、シルバーチタニウムホワイトは好きだけどね」とまた難しいことを言う。ぷみぷみは全然納得していない。
すると、ジュンコは「ぷみぷみも色の勉強をすると分かると思うけど、好きな色、って決めちゃうと面白くないの。その時々にあった好きな色、っていうんなら分かるけど、どの色が好き?って聞かれても答えられないの。ぷみぷみが好きな色は何色ですか?ピンクが好きなの?」と逆に質問する。とぷみぷみ嬉しそうに、「うん!」と答える。
じゃあね、ピンクは何色と何色から出来ているか分かる?
う〜〜んわかんない。えーっと水色と黄色かな?
ピンクにも色々あるのよ。濃いピンクから薄いピンクまで・・・・ピンクが好きなら色んな種類のピンクを好きになって下さい。
するとぷみぷみ、身近なピンクのものを探してきては「こんなピンクも、あんなピンクも・・・・」嬉しそうだ。
絵を勉強している姉から、ぷみぷみも何か学んでくれただろうか。
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