今日はジュンコの大学入試一次試験日だった。時計を忘れていった。どうするんだろう、と心配な一日を過ごす。私などは、昼寝しても、ジュンコが球体をモチーフに素描をしている夢まで見てしまうほどだ。昼寝するなんてのんきすぎると言うなかれ。。。。
夕方遅く帰宅したジュンコ。モチーフを完成させることが出来なかったという。課題は「モチーフを持っているあなたの手を描きなさい」というものだったそうだ。モチーフは紙コップ。(いやぁ、随分とまともな課題だよ)しかし、1秒前に、片方の手を消してしまったというのだ。「時計を持ってなかったから。」だから完成させることが出来なかった。与えられたテーマが表現できていなかった以上、恐らく結果は不合格だろう、というのか。
お父さんは、「そういう問題じゃないだろう、ジュンコは逃げている。」とばっさり。
厳しい。
何から逃げているって、試験の結果から、自分自身から。
厳しい。
ジュンコが2階の自分の部屋に行ってしまった後、どうすればいいんだろうねぇ、とため息をつく私にお父さんは「まぁ、落ちるところまで落ちるしかないだろうね。」とこれまた厳しい言葉。母はそこまで厳しくもなれず、かといって甘いことも言えず、励ましも言えず(彼女自身も何も言わないで欲しい、と言うし)どうすればいいのか途方に暮れる。
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