毎朝定時に起きてこないジュンコ。昨日も学校を休み、予備校にも遅れて行ったらしい。ユイマが心配して何度も私の携帯に電話してくる。「ジュンコまだ家にいるよ。行かなくて良いのかな。」 ジュンコを電話口に呼んで聞いてみると、どうしても今日の素描のために資料が必要だが見つからない、見付けたら予備校に行く、というのだ。行く気はあるようだからよしとして、ユイマに受話器を戻し、こういった。 「大事な資料を探しているそうだから、ユイマそんなに心配しなくて良いよ。ジュンコは勝手に行くから大丈夫。それよりも、一人になったらちゃんと留守番頼んだよ。」
今朝、ユイマがゴミを集めたとき、ジュンコのゴミ箱から予備校からもらったとおぼしき紙一片を見付け、私を呼んだ。「これ、ジュンコの大事な紙じゃないかな?」 見ると、素描のテーマがワープロで打たれた紙切れだ。私にはそれが大事な紙とは思えなかったが、昨日ジュンコがあんなに時間をかけて大切なものを探していたと知っているユイマは心配でならなかったらしい。「さぁどうだろうねぇ」と首を傾げている私をおいて、不機嫌そうに朝ご飯を食べているジュンコのところにその紙切れを持っていって「これジュンコの大事なものじゃない?」と聞いている。すると、ジュンコ「何でゴミ箱あさるのよ!勝手なことすんな!!」と怒っている。
ユイマが小さな声で「だって、大事なものさがしてたから、これかと思ったんだよ・・・」 泣きそうだ。
あ〜あ、せっかくユイマが心配してくれているのに、わからんヤツだな、ジュンコは。
ジュンコが朝起きないのはきっと考えがあってのことだろう。どうしてもいかなければいけないと思えば自分でちゃんとやるだろう。そう親は思ってじっと今は我慢している。どんなに学校を遅刻しようとどんなに学校を休もうと、本人の問題だ。起こして、と先日言われたから、朝声はかけるが、あまりうるさくは言わない。責任は本人にある。
でも、まるで我慢比べのようだ。
受験まで私はずっとこの状態を我慢できるのか。・・・わからない。
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