2学期になってからは毎日のように運動会の練習に明け暮れたユイマ君。かけっこやリレーの練習で自分がいかに早く走れたか毎日話してくれた。「僕凄いんだよ!今日、リレーで僕より早い子を抜いちゃったんだよ。」などなど。 でも運動会が近づくにつれてだんだんとトーンが下がってきた。やれ足が痛いだの、雨が降って寒いから練習はしたくないだの文句が増えてきた。そして、今日は運動会の前日。 「お母さんごめんね。」といきなり言うので何かと思ったら「僕、かけっこで3等もいかないかもしれない。他の人が早すぎて・・・」だって。
良いんだよ、そんなに無理しなくたって。
それを聞いていたお父さんが「ユイマ、前にも話したけど、早く走るには、まずまっすぐに前の方を見る。なるべく遠くを見る、そして、肘を引く。肘を引くと腕の回転が速くなるから早く走れるんだ。でも肩に力が入ると早く走れないから、手首から下の力を抜くんだ」と具体的なアドバイスをする。それを聞いて「うん。ちょっとやってみる!」と言っていきなり部屋を斜めに駆け出しそうになるユイマを何とか制止するお父さんであった。
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