Comes Tomorrow
ナウシカ



 別れはある日突然に…

こういうのって、なかなか慣れないなぁ〜
先日、職場から電話。
私が受け持っている患者さんが亡くなったという知らせ。

まぁ〜高齢だし寝たきりに近い状態だし、点滴と服薬、浣腸などによる排泄の管理、いつ亡くなってもおかしくないとはいえ、先週までは状態も落ち着いていて、ご飯もそこそこ食べれていて、笑顔でお話もできていたのに…

私が訪問看護に訪れた二日後に先生も往診に行ってるけど、特に変わったことはなかったとのこと。
それがその日の晩、急変したのだとか。

人を看取るのが仕事、訪問看護こそ、そういう仕事だろうと当初思っていた。
それが、こんなにも看取れない仕事だとは思いもしなかった。
まだ病院に勤めていた時の方が、そういう機会は多かったな…

一期一会とは言うけれど、本当にそうだ。
目の前で話している人は、明日もまた同じように話せるとは限らない。
明日また会えるという保障はない。
一日一日を無事に過ごしていく何のことはない日常で、それはある日突然訪れるんだ。

それは自分にも言えることで…
まだまだ先があると思っていても、まだまだ若い、健康と思っていても、それは永遠じゃない。
誰人も、ある日突然なのかもしれない。

患者さんの訃報を知らせてくれた職場の看護師さん。
『○○さん亡くなったから、もう訪問看護行かなくていいからね。
それと、○○さんは退院してきたけど、今のところ調子いいみたいだから、訪問看護はいらないって。
まぁ〜訪問看護いろいろあって大変だけど、頑張ってね』

『えっ!?亡くなった!?○○さん…がですか?』
私は名前をオウム返しに聞いて、名前と顔を本当に間違いがないか、自分の頭の中で思い浮かべて一致させて確かめて…
わかってはいても、いつも驚いてしまうんだ。

まぁ〜調子良くて、私が必要ないっていう人はいい。
それは、とてもいいこと。
そんなことにはガッカリしない。

私が回る患者さんが減るということは、それだけ給料も減るということだけど、そんなことはいいのよ。
病院と違って、訪問看護ってそういう仕事だから。
同僚の看護師さんは、それも慮って『頑張ってね』って言ってくれたんだろうけど…

患者さん本人だけじゃなく、そのご家族とも交流を深め、いろいろお話していると、ほんと楽しくて、このままずっと関係が続く間柄のように錯覚してしまう。
今度はこんな話もしよう、あんなこともと思っていても、それはいつ終わってしまうかわからないんだ。

慣れないね…いつまでたっても…このポッカリ空いたような感覚。


2006年03月20日(月)
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