蛍桜

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唯一の柱だって言ったのに

思い返せば
あれは偶然なんかじゃなかった

2回目が終わった後に気づいた
気づきたくなかったけど気づいた

見慣れない地で泣いたことを頭が覚えてる
独り電気のつかないベットの上で泣いたことを
特に意味もなかったけど
1日目にしてホームシックだったとか?笑

とにかく
都会の夜景はきれいだった
慣れない化粧をして
新しい出会い求めたふりして
結局そんなもんいらなかった
ただ、胸が締め付けられただけだ

今度は外国の田舎の景色を見て
何を感じるか、だ


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ワンタイム、
おおきなおおきなお屋敷がありました
まっしろい壁とまっしろい柱と殺風景な部屋
ぽつりとある長い赤い絨毯の先には
金で出来た椅子が二つ
しかし、誰もいない
かつて誰かが住んでいたわけでもなく
王室だったわけでもない
ただきれいに建てられきれいに置かれているだけのお屋敷
ただそこにあるだけ

空から見下ろせば円形につくられているこの屋敷
誰が、なんのためにつくったのかはワカラナイ
この屋敷の周辺は、茂った森しかない
誰かが訪れるわけでもなく
9本の柱に支えられた空虚感漂う屋敷はただそこに存在した

ワンデイ、
どこからともなく、キリンがその屋敷へと足を踏み込んでいた
キリンの長い足が一歩踏み込むと
足元でネズミがキリンを見上げながら口が裂けるように叫んだ

本気かい?やめておきなよ!

キリンは足元で叫ぶネズミが見えないふりをしながら
屋敷の中にたどり着いた
この屋敷の柱は9本
円形の周辺に等間隔に8本と、真ん中にとてつもなく太い一本
その全てが真っ白だった
キリンはまず、一番北にある柱へと向かった

ここからがスタートだ

キリンはゲームを始める合図として、よだれをたらした

ガリ、ガリ、

キリンは、真っ白い柱を食べ始めた
大きな口に、似つかない頑丈な歯を従えて
ガリ、ガリ、
なんども噛んだ
味わっている様子もなく、あっという間に噛み砕く

ねえ、やめなって、やめなよ

尚もネズミはキリンの足元でちょこまかと動く

うるさい、おれは、歯を手に入れたんだ
この頑丈な歯を
いいだろ、この屋敷なんて
誰もいないんだから
ただ白いだけの寂しい家さ

そういい終わると同時に、その柱を食べ終えたらしく
柱は、音を立てて崩れた

さ、次は南だ

そういって反対側の柱へと足を踏み出す
ネズミはまだ足元で叫んではいるが全く効果はない
キリンはそのまま南の柱をも食べ
次は東、その次は西、そして北東、南西、北西、南東、と食べ続けた

まだか、やっぱりこれが最後だな

キリンは真ん中の大きな柱を見上げながら言った
ネズミはもう、叫ぶ声さえ失って
がらがら鳴る喉を鳴らしているだけだった

やめなよ、やめなよ、それは最後の柱なんだよ
この屋敷は、いまやその柱しかないんだよ
やめなよ、やめなよ、、、

ネズミの言葉はキリンには伝わらない
キリンは大きな柱を前に、ごくり、とつばを飲んで
気合を入れた

この柱を食ってしまえば、この屋敷は崩れるだろう
今まで聳え立っていた意味なんてなかったのだから、いいだろう?
ああ、ぞくぞくする、ぞくぞくする、

少し身震いをしたあと、キリンはとうとう最後の柱を食べ始めた
ネズミが声にならない声で叫び続けても、届かなかった

やめて、やめて、支えを取らないで
やめて、やめて、その一本だけしか私には残されてないのに

急にどこからか甲高い声が聞こえた
ヒステリックに、その声は叫び続ける

やめて、やめて、その柱が私にとって
どれほど大切か分かっているでしょう?
私がここにいる意味がないといわれようと
私はその柱が必要なの

声の主は、悲鳴のように叫ぶ
さすがのキリンも、少しひるんだように返答した

おまえ、なんだ?
おまえ、なんだ?
この屋敷の主か?

ちがう、この屋敷そのものよ
だから、助けて、壊さないで、お願いだから、必要なの、、

だがな、この柱はいまやもうこんなに震えているぜ
必死に支えて、かわいそうなもんさ
もう限界なんじゃないのか?
この柱も、おまえを支えるのに嫌気がさしてるんだよきっと
いいじゃないか、食っちまうぜ
おまえのためにも、この柱のためにも、な

それっきり、甲高い声の主は何も言わなくなった
ただ泣き声だけが、屋敷の中を反響した

キリンはそれを気にせずに再び食べだした
他の柱に比べて、あまりにも太く、今まで数本を食べてきたキリンも
さすがに苦悩の表情になる
あと少しというところまで粘って
とうとうキリンは、最後まで食べることなくその場に倒れた
ネズミは、声を出さずに無事だった屋敷を想って喜んだ
しかし、その場に泣き声がやんでネズミに問いかける声が聞こえた

ネズミさん、この柱はあと少しで崩れてしまいます
今崩れなくても、近いうちに、きっと・・・
だから、ネズミさん
私はもういいんです
もういいから、その柱を最後まで食べてやってはくれませんか
その柱を楽にし、私も崩れる
それがきっと好ましいのです

ネズミは思いがけない言葉に、一瞬固まった
でもすぐに、大きく頷き、残りの僅かな部分を食べ始めた
キリンの歯よりは丈夫じゃないから時間はかかったが
キリンの歯に比べては鋭いから、うまく削っていた
そして、とうとう最後の一口になった

いいんだね?

はい

そうして、誰も訪れることのなかったまっしろな屋敷は
森の中で大きな音を立てて崩れた
それがネズミには、心の叫びに聞こえて仕方なかった
そして最後の最後に声の主は

ありがとう

と言って消え去った
ネズミは小さい体を活かし、崩れ落ちた瓦礫の中から顔を出し
森へと帰っていった
崩れた屋敷はいつしか、そのまま少しずつ風に運ばれて消えるだろう
ネズミはその空気を吸うたび
あれで幸せだったんだろう、と祈るだろう


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コロナ

何をそんなに焦ってんだい?
もっとゆっくり生きればいい
他人の歩幅は気にせずに
君らしく居ればいいさ

何をそんなに悩んでんだい?
もっと自信を持てばいい
眩しいと日影に隠れてちゃ誰も君を見つけられないだろう

無理矢理に答えなんて
一つには決められないよ
幾つもの選択肢の中から
正解を作り出すのはこれからの君次第

一人一人の僕たちが
望む未来は違くても
共に歩んでた道のりは
変わる事などなく
一人一人の僕たちが
望む未来は違うけど
いつもそう繋がっていくんだ

何をそんなに泣いてるんだい?
自分は何も変われてないって?
まだ朧気だけど夢がある
それはかなり大きな進歩だと思う
進むべき道の方向が
“分からない”そんな時は君が一番好きな歌を唄おう
後悔を一歩に変える 勇気の歌

一つ一つのメロディが 紡ぐ未来は違くても
笑顔のための涙なら
止める訳などなく
それでも辛い悲しみは
一人で抱え込まないで
時々はこの場所へ帰ろう

一人一人の僕たちが
望む未来は違くても
共に歩んでた道のりは
変わる事などなく
一人一人の僕たちが
望む未来は違うけど
いつもそう繋がっていこう

一人一人の僕たちは
いつもそう繋がっていこう

2007年05月10日(木)

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