蛍桜

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歩くのが早すぎて

私は社交的でもないし会話上手でもないし
人の機嫌をとれるようなこともしてあげられない
誰かを庇うためのうまい嘘はいつまで経ってもつけないのに
自分を守るための嘘はずっと昔からうまかった

昨日、会社が終わってから一人で買い物に出かけた
一人で外に出ることなんて滅多にないから
周りの目が気になってしまうけど
いつも「気にしていない」風を装う
浮いているかもしれないけど
「気づいていない」風を装う
なんとかそうやって自分を奮い立たせる
だけど通りすがりの金髪のおにいさんや
きれいに髪の毛にパーマをあてたおねえさんが
少しでも自分を見ていると感じると
やっぱりこなきゃよかった、って思うし
私は一人浮いていることを嘆いた
化粧だってまともに出来ないし
髪の毛だってセットしてないし
あてたパーマはもう完璧にとれているし
おしゃれなわけでもないし綺麗なわけでもないのに
劣等感を覚えるな、と言うほうが間違ってると思う

その買い物の帰り道、屋上の駐車場に出て
自分の車へと向かって
キーレスだからボタンで鍵を開けて
さあ乗ろうと立ち止まったら
すぐ後ろに人が立っていた
「あ、ここですか」その人は言った
理解するのに時間がかかったけど、その人は話し始めた
少しの関西弁と敬語だった
しばらくして、だいたいは理解できたけど笑うしか出来なかった
「別に一人だから声をかけたわけじゃないんです」
「今素人さんが必要なんです」
とりあえず本物かどうか分からないから店の名前を聞いた
そしたらうちの会社のクライアントさんだった
おもわず、ふ、と鼻で笑ってしまった
「週1でもいいんで」その人は続ける
「そういうの苦手なんで」いつもながら思うけど
こういうのを断る力は私にはない、というか弱い
で、こういうとき考えるのは
この人は私の後姿だけを見てついてきたんだろうな
かわいそうだな顔みて失敗したとかおもってんのかな
とりあえず目をそらしたら負けかな、と自分の中で思ったから
ずっとその人の目を見つめていたけれど
やっぱりめんどくさくなって自分の車ばかり見ていた
「学生さん?」「社会人です」
「職業は?」「WEBデザイナー」
「ああ、広告とかのデザイナーさん!」
いや、デザイナーじゃないから
なんか間違ってるから
もっと言ってしまえば私はもうWEBデザイナーでもないのかもしれないけどね
とりあえず断り切れずに名刺だけをもらった
明日この名刺をネタにしよう、とだけ思った
なにもかもを投げ出したいときにお世話になろう、とも思った
だからとりあえず名刺はしまっておく
私なんかが務まる仕事じゃないっていうのはわかってる
母にも聞いた「私にこの仕事できるかな?」
母は言う「我慢とかできんのじゃないん」
そうかな、そうだろうな
いろんなこと我慢は出来ても、人間関係には我慢できないと思うや

この前大阪に行った時
自分は必要とされてるんだと思って行ったから
ある意味偽善者で、ある意味自己満足だったわけで
結果がああなったことで、悲しくはあったけど絶望はなかった
ただ夕方頃にメールが来た頃にはもうなんだか会う気力もなくて
いまさら会いたいとも嘘でも言えなくて
私が来たことで何か役に立てるなら、と思ったけど
行く前からわかってた
私が行って何になるんだ?と
それでも来てほしい、っていうから私は自惚れてただけで
私が行ったことで変わったことは
少し、追い詰めただけかもしれないなーってこと
私は過去の思い出だ
きれいな思い出の中の住人だ
だから今現われてはいけなかったのだ
こうやすやすと現われてはいけない登場人物だったのだ
それなのにただ、おまえしかいないと言われただけで
私は今の世界の救世主になれるかもしれない、という希望を抱いたのが
バカだったというお話
どっちにしろ、GWには大阪に行こうと思ってた
近場だし、写真に収めたい場所があったし
自分で道を理解できるようになりたかったから

予定がきれいに全部飛んだお陰で
その願望を実現することにした
案の定よく迷子になり、よく歩き、ヒールでこなかった自分を褒めた

目的1 連れて行ってもらった場所へ行って思い出に浸るとともに道を覚える
目的2 天気がよかったらあのビルに空がうつっている写真を撮る
目的3 香川でやってない映画を見る
目的4 自分に自信をつける

3年前の思い出の地から出発
私が一人で歩けるのは一か所しかないのでそこまで電車で行く
だがしかし御堂筋ならわかるがJRで行ったため分からん
一応降りてうろちょろ
そしたら偶然にも2か所のポイントに到着
いや歩道橋はたくさんあるのに駅からこんな近いところだったなんて
知らなかった まあもう二度といけないけど!
ここも通った、ここも通った、ってなって
結構駅の周りをうろちょろしてたんだなーって知った
うろちょろしてたら目的2のビルを発見
天気はよかったけど、なんていうかくっきりした空じゃなかったから
写真は断念した でも、あのビルが好きだからよかった
ビルが見えるから、そっちのほうへ歩いて行ったら
なぜかどんどんビルが遠くなった
まっすぐいきたいのにいけなくて遠回り遠回り
やっとついたときにはへとへとになってたら
噴水やらいろいろあって癒された
ここで目的3の映画を見ようと思ったら
見てたら帰りのバスに間に合わないことに気づいて断念
いったい何しにきたんだろーと思ってお金はらって
空中庭園へ入園した
こういうときやっぱり、人の目を気にするんだよなー
なんで一人なんだろう、って女ひとりでさびしいなって
思われてそうなのが一番嫌だった
屋上へ行った時も、自殺しそうだなーと思われてそうで怖かった
むしろ思われてたんじゃないのかと
でもまあ景色はいいとはいえないけど(ただ高いだけやん)
夜か夕方かに、誰かと来たいな、と思った
そう思ったときに、一番に頭に浮かんだ人がいて
あー、そうなのかな、とも思った
大阪は何かと縁がある
高校の時の知り合いが、吉本が好きで月1くらいで見に行っていたし
幼稚園のころからの知り合いが、大阪に進学するからといって
何度も下見とかも行ったことがあった
多分、香川の次に大阪に詳しいと思う
詳しいっていうには程遠いとは思う、けど
またいつかふと思い出したときにこうやって大阪を巡って
何かを思い出して何かを失っていくのかな

目的4 自分に自信をつける

帰りのバスには何とか間に合ったし
さほど大した迷子にもならなかったし
やればできる子!
今回は変なおじさんに話しかけられなかったし!
たださびしくて誰かに頼るのはよくないなー
電車の中で泣いて前の席の人困らしたのもよくないなー
ビルまでの道に自信がなかったから行きそうなカップルの後ろを
尾行してたのもよくないなー
大阪に秋葉原はないんですか、って言いたくなったのもだめだなー
でも、家でぼけーとしてるよりは充実してた
行ってよかった
多分



2007年04月30日(月)

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