蛍桜

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うぃんぐ

今、私の姉には10ヶ月の娘がいる
私から言えば、姪かな
で、姉が、その姪の成長を綴るブログを作っていて
毎日、楽しみに見ているんだけど
ブログの紹介文の所に
「愛娘」と書いていて、はっ、とした

この子は、両親に望まれて産まれてきたんだ
両親だけじゃなく、じいじやばあばにも
喜ばれて、産まれてきたんだ
父方のほうも、他の子供が県外にいっているから
地元にいる孫は、この姪だけで、すごく喜んでいて
母方のほう(うち)も、孫が出来たのは初めてで
休みのたびに会いに行くくらい愛されていて

あぁ、愛娘か、愛孫か、と思った

望まれて産まれて来て、今までの様子を見ていても
きっと姉夫婦は離婚なんてしない、と思う
だから姪は、両親に望まれて、両親がいる状態で
(事故にあったりしない限りは)大人になって
そういうごく普通の家庭で
普通の幸せを手に入れて育つんだって思ったら
一番初めに浮んだ言葉が

「悔しい」

だった

子供はそりゃ好きで、でも扱いは苦手だけど
姪はそりゃ他の子とは違う愛らしさがあって好きで
だけど、だけど、悔しかった
そういう自然な、普通の、理想の、家庭像が
目の前にあって、しかもこんな身近にあって
痛い、痛い、って心が軋んだ

姉は、私よりも散々な人生を送って
父親は母と離婚してしまってもうどこかにいってしまったし
(今はアメリカで成功しているという話を聞いたけど)
その次の父親(私の父)にはいじめられるしで
今の私が言う「自然な、普通の、理想の、家庭像」には
絶対に当てはまらないような人生を送っていて
だからこそ、姉には、幸せになってほしいけど
なってほしいけど
羨ましすぎる

今まで、自分に父親がいないことを憎んだことはなかった
そのことについて、いじめられたことも記憶にはないし
参観日とかには寂しい思いもしたけど
でも、なぜか私はあの頃から理解をしていて
母が、私のために、私たちのために仕事を二つ掛け持ちにして
働いていて、夜勤明けで疲れているのに、バイトを入れて
頑張っていて、今思えば、私にはそんなことできないってこと
たくさんやってくれて、愛はたくさんもらっていて

でも、たまに、この愛は偽者なんじゃないかって
この愛は私に向けられたものじゃなくて
一度捨てた、罪滅ぼしなんじゃないのかって
そう思ってしまって
ひねくれているから、そう思ってしまうんだろうけど
母のことは、大好きだと言えるけど
たまに私を殴る手や、猫をいじめるその姿を見ると
ああ、だめだ、だめだ、とこだましてしまう

私が、父に愛されていたかは知らない
3人目で、今度こそは男だろうと信じて産まれてきたのが
私で、そりゃがっかりしただろうし
でも、少しは喜んでくれただろう、って思う
思いたい
でも私の中の父は、愚かな人だけど
決して私に暴力を振るったりはしなかった
母にはどうかは知らないけど

私が愛されているか、愛されていないか、そんなことは
もうどうでもいいけど
私の周りで親から愛を満遍なく受けている人っていなくて

たとえば、親が離婚していて
父親は?って聞いたら「知らないあんなやつ」って
言うような子がいたり
父親のことを、ものすごく嫌っている人がいたり
家族のことを、全く信用していない人がいたり
「俺なんて産まれてこなきゃよかった」って
言い続けてる人だっているし
私の周りにはそんな人がたくさんいるなーって
思っていたけど、多分違う

どこにでもそういう人はたくさんいて
ただ普通の、両親が揃って、幸せな生活を送っている人は
こんな不幸自慢なんてしないから
普通の幸せは、私の耳には届かないだけで
ただ、みんなの不幸自慢が心に残っているだけで
今まで、ちゃんと、両親が揃って、仲も良くて
そりゃそれなりにケンカもしてるかもしれない、けど
それでも愛されて産まれてきた人たちっていうのを
真正面から見たことがなかったから
そんなの、ほんと、当たり前すぎて、みんなは
見せてもくれなかったから
私は、姉夫婦と、姪を見て、やっとそういう
理想の家庭像を真正面から見て、戸惑っている

別に両親が揃ってりゃ幸せってもんでもないし
「理想像」であって、今、もし私に父親がいたとしても
それは、嬉しくはないけど
ただ、そんな当たり前が
私からしてら「当然の幸せ」みたいに輝いて見えるんだ

そんな当然の幸せを持って産まれてきた姪を見ていると
私は、産まれてきたことを喜んだけど
産声も聞いたけど
少しだけ、憎たらしくなって
自分の心の汚さに気付いた

この子は、愛されて、大きくなっていくんだろう
かわいいから(ここらへん叔母バカ)彼氏も出来るだろうし
どんな性格の子になるかはわからないけど
ずっと愛されていくんだろうだろう

そんな当たり前が、恋しくなったよ

愛娘、って言葉を向けてもらえる姪が
死ぬほど羨ましかった
愛されたかった
ずっと、愛されたかった
そんなとんでもなく醜い気持ちがあふれ出したら
止められなくなった

いいな、いいな、って
愛されていいな、って

私が、愛されてないわけじゃないのに
きっと、当たり前に愛されているはずなのに
ちょっとだけ怖くなった

やっぱり私は、何かが欠けているんだ、と

自分のことを、不幸だといい続けたことがあっても
本当に不幸だと思ったことはない、はず
分かってる
自分の生い立ちや今までのことなんて
「不幸」とさえ呼べないちっぽけなものなんだって
ただ誰かが「かわいそうね」って言えば終わることなんだって
分かっていたからこそ 私は自分で自分を追い詰めて
私は不幸だ、不幸だ、と嘆くことしか出来なかった
私だって、五体満足という当たり前の幸せを受け取ったよ
そりゃ言葉が上手くしゃべれなかったけど
手術できるお金ももらった
手術して、少ししゃべれるようになった
今でも自分の声は嫌いだけど
今でも自分の声はきっとどこか
なまっているんだろうって
上手くしゃべれてないんだろうって思うけど
でも、しゃべれてるし、通じてるから、幸せだと思う、よ

いつか、私も愛娘って呼ばれたことがあったかもしれない
父親譲りの白い肌に、低い鼻、奥二重、まゆげ
お母さんに似ているところなんて一つも浮ばないけど
お母さんと一緒に居たら「似てる」と言われるその存在感
ああ、人付き合いが苦手なところが、似てる
性格はきっと母親譲りだ
そんな、両親から生まれた私
きっと誰かに愛されてる
そう、自分に言い聞かせながら
私も、姪を愛せるように頑張ろう
あの子が、私みたいに、誰にも愛されてないんじゃないかと
泣かないように、愛してあげられるように、頑張るから

この世の中に、愛されていない人間なんて
いなくなればいいのに

いなくなるように
私も、誰かを愛せる人間になれたらいいのに

やっぱり愛って難しい

誰の幸せも願えない私が愛を語る資格はない

どこにもない


+++

もう会わないと決めたのに
夢の中で会いに行っている私は阿呆だ
会いたくて仕方ないならそういえばいいのに
夢の中でさえ私はバカだ

会わないほうがいいのは分かっているけど
いつか無意識に行動に移してしまいそうで怖い
メモリーを消せばいいのかな
そんなんで解決するのかな
分からない、よ

ああ、会いたい
恋とか、そんなんじゃないけど
私を否定されたままで終わりたくない
お互いを認めて、それで終わりたい
終わりたい
終わろう

+++

大人から見たら、私の生き方は、普通じゃないかもしれない
私から見たら、あの子の生き方は、普通じゃないように見える

でも本人はいたって普通
これが日常
日常なんだよ

否定されたくなんてないよ
否定されることなんかした?
自分のために生きるのが何が悪いの
自分のためじゃなかったら誰のための生きればいいの
そんな堅苦しい世界、こっちからお断りだ

誰かがルールを決める
それに従わなきゃいけない
でも、そのルールに意味を見出せない
だから私ははみ出る
そしたら、私はルールを破った愚か者だ
笑えるね

「彼氏がいるのに他の男と浮気しているから関係を切る」

じゃあ
恋人がいるのに他の女と相手と肉体関係を
築いたあんた自身はどうなんだ、と思った
人に言ったことと、自分が今やっていること、同じだよね?
私たちのこと何も知らないくせに浮気とかっていう
名前をつけられて、勝手に関係を切っておきながら
自分だって同じことをしていることに気付いているのかな
他人のくせに、当事者のことに口を出したのは誰だ

「浮気なんてありえない」

そうやって軽蔑の目を向けておきながら
自分が「他に好きな人が出来たから彼氏と別れたの、私の浮気が原因」
なんてよくもいえたもんだ

自分で理解できないときに他人を否定するのに
自分が同じ行動を起こしたときは、自分を肯定するのね

誰にも何も話さないから
「浮気」だの「肉体関係を持っていた」だの散々言われたけど
誰が本当のこと知っていたの?って今も思う
それで軽蔑されても、関係を切られても、どうでもいいけど
その意思を貫くならずっと貫けよ、って
何その自分主義

理解してくれようともしなかったのに
否定だけして
なんだそれって
思うよ
思わない?
私だけかなぁ
汚れてるからかなぁ

あれから何年たっても、ずっと頭に巡る思考は同じだ

私は、自分を否定されたことに怒りを覚えているだけだ
別に、今はもう知らない人たちが
浮気してよーが、肉体関係もってよーが、関係はない
ただ、心の中に深く残された傷跡が
どうしても疼いて、吐き出さなきゃいけなくなる
同じような気持ちに、させてやりたかった
だけどそれは、やっぱり私の自己満足だね

どうして自分のことしか考えられないんだろう
どうして自分の視野の中でしか物事を見られないんだろう
愚かだ
あの人たちも、私も

知らない誰かに認めてほしいから、息をしているわけじゃない
でも、知っている誰かに認めてほしいから、私は生きている

なんて自己満足なんでしょう

自分が見た世界が、自分にとっては一番正しい
自分は正義ぶってるだけなのかもしれないけど
他人にとっちゃいい迷惑
本人じゃなきゃ分からないことって、やっぱりあると思う
でも、それはやっぱり見えないと思う 周りからは

どうやって、それを知って
受け止めていくかかなー

+++

えみちゃんのいいところは
深く干渉してこないところだ、と誰かが言った

踏み込むのが怖くて
一歩引いていることが
いいところだと言ってくれるのはありがたい
ありがたい、けど

干渉したくなったとき、どうしたらいいんだろう
私は一生、一歩引いているところで
誰かの当たり障りのない言葉に
当たり障りのないように答えなきゃいけないのだろうか
だったら初めからいらない、な


えみちゃんのいいところは
他の同年代の人たちよりも大人なところだ、と誰かが言った

そんなのいくらでも創れるよ
知ってる人は知ってると思うけど
私ほど自己中でめんどくさがりやで我侭なガキはいないと思うよ

抑えてるだけだよ
いつもね


いつも、嬉しい反面、虚しかった

私ってなんだろーなー


2007年04月07日(土)

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