蛍桜

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雪の降らない街
「キライだよ。冬は寒いから。」と 話す君に
「今年から、冬が好きになる!」と あげたコート

そでを通したり 床に広げたり はしゃぐ笑顔
連れて部屋を出れば

白い冬が街に降りて来た
雪の降らない僕等の街に
二人 手と手を重ね見上げた
空一面の粉雪

三月の風が窓のすき間 光る頃に
少しずつ 片づけたこの部屋 広いんだね

二つずつの物が一つになれば
心さえも いつか一つずつに

そっと笑いかける君の顔
今は小さなフレームの中
壁にもたれたレコードの裏
戻らない時の記憶

ざわめく夏が 色づく秋をこえて
やりきれない静けさの中で 曇る空に君想えば…

白い冬が街に降りてくる
壁に並んだ二つのコート
そでが重なり まるであの日の
僕とあなたの様です

いつも同じ言葉で結んだ
届くはずの無いこの手紙を
今日も机の奥にしまった
出来ることなら今すぐ
この冬空を駆け抜け
あなたに会いに行きたい

2006年10月26日(木)

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