| 蛍桜 |
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| 初めて切った日 |
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誰の力にもなってあげれない 誰かを信じることさえ出来ないのに 信じてもらおうなんて簡単に考えすぎで うわべくらいなら信じることが出来たとしても 心の底から全てを話せる相手なんて そう簡単に出来るはずがなくて 「力になってあげたい」 そう思っても 私がそうなれるわけじゃない そうなれない可能性のほうが多くてどうにもならない 力になってあげたいなんて偉そうなこと言えるなら まず自分をどうにかしろっていう話だ 最上級の友達同士、親友同士になることは きっと私には無理なんだと決め付けている そんな関係、私からしたら邪魔になっていくだろうから 誰とも関わりたくない期間っていうのがある 誰とも話したくなくて笑いたくもなくて 話し方も忘れてしまうくらい引きこもって 誰にも優しさを与えることができない 自分にさえも与えてあげることができない それがどれくらい続くのかはいまいち分からない 一ヶ月続いたこともあった そのたびに文章だけで嘘をつけるネットへ逃げた 私はあえてうそつきになった 感情を忘れないように 人の温かさを忘れないように そうすることが私がそのとき出来る最高のことだった だから私は誰も必要ないと言ってしまう そういう時期が来るたび 誰とも会いたくないと みんな死んでしまえばいいのだと そう投げ捨てて 八つ当たりを繰り返していく そうした中で最上級の友達が居たとしても そうやって傷つけていってしまう自分が居るということを 知っている以上 一緒になんか居たくない 最上級の友達なら なおさら 傷つけたくない 居なくなってほしくないから それでも居なくならないよって 言ってくれるやさしい人はたくさんいるのに それを信じきれないのは 自分の限界を知らないから その八つ当たりの大きさを自分では分からなくて 計り知れなくてあまりに怖くて 制御できなくて どれだけ大きな傷を負わせてしまうか分からないから だから、私は最上級の友達なんていらない 最上級の理解者なんてほしくない 最低限に抑えていたほうがいいことだってあるんだ 「またあの子気まぐれだね」って言われるくらいがいい 陰口をたたかれるくらいが一番いい 全部分かられてしまうとどうしようもないから それだけの存在になってしまうから 自分の存在が分からなくなるときがある だけど それをどう対処するかなんて分からない 「私の存在って何」って誰かに尋ねても 満足のいく答えをくれる人はいないだろう 今までどれだけの人を傷つけてきたか分かってるから 「支えてあげたいから」そう言ってくれた人たちが 今はもう、私とは関わらない遠い場所にいることを 分かっているからこそ誰にも支えてほしくない 人々はみんな離れていくんだ 結局は一人ぼっちになるんだ 誰かを大切にすることを知らない 偽善しか彩れない 嘘しかつけない 意地しか張れない プライドを破れない 愛想つかされることは分かりきってやってるんだ でも、やりたくてやってることじゃないんだ こうする方法しか分からないんだ 足元が不安定になったときにだけ誰かに寄りかかろうとする けれど 誰も私の重さを支えてなんてくれない 今までどんなことをしてきたか考えて見れば分かる 今までどんなことをしなかったか考えて見れば分かる 私は居ても居なくても分からない存在 本気で悩んだときに頼りにされるわけでもない 本気で悩んだときに頼りに出来る人がいるわけでもない 寄りかかろうとしたらみんな逃げていく 分かってて逃げていくのかタイミングがいいだけなのか そんなの分からないけど 私はひとりぼっちになっていく それが怖くて怖くて でも足元が不安定で 追いかけることも出来ない 笑いかけることも出来ない ただ、イライラした気持ちをぶつけるだけしか出来ない 素直に気持ちを表現できない 私が初めて腕を切ったときもそんな状態だった 足元が不安定なのに 私はいままで何も残さずにやってきて その結果 一人ぼっちになってしまって 頼れる人なんていなかった 一人ぼっちを認めたくなくて 「誰とも関わりたくない時期」へ突入した 話したくない 話したらすぐ八つ当たりしてしまうから やさしい人はそれでも許してくれた でもそれが許せなかった もっと怒ってくれればいいのに怒ってくれなかった 私は激しく八つ当たりすることしか出来なくなった 誰とも会いたくなかった 会ってしまったら笑えないかもしれない 無理に笑っても 無理に笑っている努力を 誰も認めてなんてくれない ただ一人で笑ってるだけで 笑うのをやめたら 機嫌が悪いのねって済まされるだけ 不幸なふりをするなって怒られるだけ 私がいままでそういうことをしていたから そういう結果が舞い降りてくるだけ そして誰にも頼れなかった 頼れる人を私は作らなかった いや 作ろうとしてもすぐに傷つけていた だから裏切って遠ざけた こういえば奇麗事にしか聞こえないけど 結局は裏切ることしか出来なかった 誰にも頼れない状態で もう立てなくなった どこにもいけなくなった 泣けなくなった 何か大きなきっかけがあれば涙はあふれるけれど 急に止まって すっきりなんてしなかった これはきっと私が今までしてこなかったことの罰なんだと感じた 誰も傍にいない そのイライラで誰かを求めても その誰かも近寄ってこなくなった 私は気持ちの表現が下手なのだろうか 甘えるのが下手なのだろうか 誰も居なくなった 八つ当たりしか出来ない 怒った会話しか出来ない そうしなくても、うわべだけの会話しか出来ない 簡単に笑っていられる程度の会話しか出来なかった だから誰も傍にずっと居てくれなかった 遠くにいる彼にメールをしても返ってこなかった 昔支えてくれた人にメールしてもなにもしてくれなかった 昔支えてくれると言ってくれた人から偶然メールが来たけれど 八つ当たりしか出来なくて顔文字も何もつかう気力もなくて 怒ってると思われてメールもすぐに終わってしまった 意地っ張りな私だから 数人を除いてはメールを送らなかった 自分からメールを送るのが怖かった それは昔から私にあるトラウマだった 母は仕事で泊まり勤務の日が何度もあった 家には誰もいなく私一人だった 身も心も一人だった気がした 時々なる携帯の着信音 望んでいた音じゃない たまに望んでいた音色がなっても素直に喜べなかった 「この人もどうせ居なくなるんだ」 誰にもメールできなくなった 返せなくなった 電話なんてもちろん出来なかった 学校には行けなかった 母はそんな私を怒った 味方だった母が私に手をあげた日のことを思い出した 一番の味方だった母が私を捨てた日のことを思い出した 「こいつも、私の味方なんかじゃないんだ」 ふさぎこんでいる私に誰も近づかなかった 近づく理由さえなかった 助けを求めるのも飽きていた そういうときだった ふっと 最後の解決法のように腕を切るということだけ 頭に残った 他にはなにもなかった 痛いとか怖いとかそういう恐怖もなかった ただ素直に一本線を引くことが出来た もう一本、もう一本、と引いているうちに血があふれ出てきて 思ったよりたくさん出てこないことが悔しくて また切ったけどそれ以上は出てこなかった よく切れるカッターを探そうと思ったけどそんな元気もなかった 何かをする気力もなく ただ腕に線を引いていた 何本引けばいいのか分からなかった これで何か変わるわけじゃないっていうのも分かっていた でも痛くなかった それでも簡単に流れるこの血が ばからしく思えた それが私の血だった 傷跡が残るだろうかと考えた でもどうでもよかった どうせ誰とも会わないんだから どうせ… 出てくる血を少し拭いながら写メを撮った 私の、新たな出発に一枚の記念写真 何か変わるかな、と待った でも何も変わらなかった それでもどこかで、腕を切れた自分を褒め称える声が聞こえた 「よくやった」 それだけで救われた気がした 動脈を切るつもりはなかった 死ぬつもりはなかった ただ、跡をつけたかった そして刃を入れる自分に惚れた 何も変わらない でも何か変わるかもしれない 何も出来ない でも何かきっかけがほしかった たった一人だったから 少なくとも そう思い込んでいたから 誰も もう 信じない 2004.10.19 21:23 |
| 2004年10月06日(水) |
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