Back  Index  Next

喋れなかった分、書いてみることにした。
2005年03月25日(金)

「大学等の卒業式には袴」という光景は決して珍しくないから、
というやんわりとした定説を、今日はくつがえされる形となった。

袴着てきたの、学年で一人かよ。

ちなみに、チャイナ服を着てきたのも学年で一人だった。
たくさんのスーツ姿の中に、スーツじゃない人が2人だけという光景。
結果的に、袴とチャイナ服の一騎打ちになってしまった。
目立ってたなあ、チャイナ服。
その一方で、私の袴は普通の袴だ。
目立ち負けた感は否めない。
「目立つなら目立つで、もっとはじけときゃ良かったよ」的な感じに
なってしまった。
袴を着用するだけで目立つような状況だったとは、計算ミスか。

まあまあ、日本人女性が数えるほどしか存在しない学科だったから、
そういう状況も頭の片隅で予想はしていたけれども。
むしろ、それ以上にショックだったのは、
珍しく髪に付けてみたヘアピンを「あれ、ゴミついてない?」と
複数人の方々に指摘されたことだった。
ゴミじゃねぇよ。夏。

喉が痛い。
ちくしょう、この喉さえ大丈夫だったら、
「仰げば尊し」「蛍の光」ぐらいマイクで熱唱してやるところだぜ。
アカペラで、着物で、ソロライブかますぜ。
うーん。
喉が痛くて正解だったかもしれない。

夕べは咳がひどくてほとんど眠れなかった。
なんにせよ、風邪というやつはなかなかしつこい。
朝になっても咳き込んでいたら、起きてきた妹がやってきて
「ウッチャンが結婚するんだって」という情報をふいに教えてくれた。
で、とりあえず息が苦しいため、芸能情報を得たところで何もできない。
「えっ、そうなんだ」と答えることすらままならない。

咳のし過ぎで腹筋と頭が痛く、
長い会話が続かない。
無力感が漂う。
私のこの両手で何ができるの?
と、私の頭上で平原綾香が歌い出す(※イメージ)。
でも、どうにか生きるしかないのだ。
人は前に向かう。
水は空気に溶ける。
体は治ろうとするから、悪いものを追い出そうとして咳が出るのだ。
そういうものなのだ。
しばらく心を澄まして、
自然の治癒力に頼るしかない(ここでenyaが歌い出す。※イメージ)。
……なんていいつつ、病院でもらった薬をジャラジャラと飲む。
手っ取り早く元気になるためには、自然プラスαでね。
そのαも自然なくして生まれないんだから、
薬も都市もひっくるめて自然だったりするのかもしれない。

なにはともあれ……、
おしゃべりな人間がしゃべれない、って辛いな〜。

今日はしばらく会えなくなりそうな大勢の人達と、
心ゆくまでご歓談する日だったのに。
もうゲホゲホ言うので精一杯でね。
そもそも着物でギューッと締め付けられているし。
大人しく、いわばやまとなでしこ風味にならざるを得ない。
そう、今日の私はわりと「やまとなでしこver」だった。
たまにキレて「あー、そうだとも。そうともよ」とかいう感じで
荒々しく喋ったり、野太い咳をしたりしたけども。
やまとなでしこver、ストレスたまりますわ。

今日までお世話になった学校とも、お別れすることになる。
同級生とは引き続き連絡を取ることもできるけど、
先生ともメールや郵便でコミュニケーションできるけど、
後輩ともマニアックなイベント会場で再会したりできる(場合もある)けど、
やっぱりそれらの要素の組み合わせから成り立つ「私の学校」は消滅するのだ。
学生じゃなくなってしまう、という事実もずしーんと重い。
帰りの電車で、すみっこの座席に座ったまま疲れて夕陽に照らされていたら、
その重さを急に感じたので、頭を壁にうなだれた。
そしたら、先刻ゴミ呼ばわりされたヘアピンが頭にチクッと突き刺さる。
電車は赤い夕陽の中を進む。
もう当分見ることもないであろう、いつもの通学路な景色が後ろに流れていく。
6年通った数十キロの道のりを、忘れることはないといったら嘘になるけど、
でかい荷物を抱えて途方に暮れた入学当時や、
正解のない課題に立ち向かいすぎて頭が破裂しかかってた時期など、
いろんな自分が確かにその風景を見ながら、家路についたのだ。

なんでこんなに足りない自分なんだろう、と情けなく思っても、
昨日よりちょっとでも進歩しているなら大丈夫だろうと思っている。
もし入学前よりちょっとでも進歩しているなら、
時間も学費も無駄じゃなかったと思おう。