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創作料理の小粋なお店・「偏食大歓迎」
2004年07月01日(木)

一日で二件の就職活動をこなすなんてこともざらになった私だが、
今日は初めて「いったん帰宅」という小技を使った。
着替えて、再びレッツゴー。
しかし、だったら昼ご飯も家で食べれば良かった。

前々から気になっていた、とあるフードチェーンで「カレー」を頼む。
しかしこのカレー、辛いなー。
「野菜の甘みがきいています」っていうふれこみじゃなかったのか。
いや、待てよ。
もしかして、これが一般的なカレーの辛さなんじゃなかろうか?
世間一般と同じ料理を作っているつもりでいても、
我が家のだけ大幅に味覚&調理法がズレてるなんて、よくあることだ。
たとえば我が家で「肉じゃが」といったら肉が入らないのは常識だ。
「カレー」も肉が入らない。
なぜなら、肉嫌いな人がかなり高い割合を占めているからだ。
こういう癖の強い人達の癖に合わせてきたからなのだろうか、
独自の文化を築きすぎた感のある食卓である。
ある意味、鎖国みたいなもんだろうか。食文化の鎖国。
しかし、ニッポンの夜明けは近いのじゃ!
そんなわけで、私は外食した時などは必ず、
夕食改革のための情報収集をする気持ちでいる。
今日も「なるほどー、世間のカレーはこれなのかなあ」と思いつつ昼食。
かつて「世間のピザ」とか「世間のチャーハン」とかの味や技術を
家庭料理に持ち込んだのも私である。渡来人の気持ち。
最近は、外食の影響でアボカドにはまっている。
しょう油で食べてもよし、トマトと一緒にサンドイッチにしてもよし。

家で料理するようになったのは、十年前にアメリカに滞在してからだ。
その時アメリカで食べていた食事は、
それまで自宅で食べてきたご飯より口に合っていた。
もともと和食よりは洋食党なせいもあるし、
もともと母親と味覚のセンスがちょっと違うせいもある。
たとえば、庭でもいだばかりの完熟トマトを薄切りにしてトーストにのせ、
その上からとろけるチーズをのせてオーブンで焼く朝ご飯。
トマトを加熱しただけのものがこんなに美味しいとは思わなかった。
このシンプルな軽食を(作るのが楽っていう点も含め)いたく気に入って、
それ以降家でもマネするようになった。渡来人の気持ち。

「おふくろの味」みたいな常識的な料理を作りたいからではなく、
外で出会ったおいしいものや珍しいものを家で再現したくて、
料理をするようになった。
このへんの「料理をする動機」は、
「生活のために料理をする」女性というより、
どっちかというと「グルメを追求する」男性っぽいような気がする。
まだどっか余裕があるというか、生活感がないんだろう。
メニュー的には大衆的なものしか作らないんだけど。
豪華そうな食材は、たいがい苦手だったりするからだ。
大学の卒業式後の謝恩会(立食パーティー的な)の場で
「生ハムメロンもローストビーフも、すっごい美味いよ!
 はやさん、食べてみな」とある人に言われた時も、
「生ハムもメロンもローストビーフも嫌いだからいらないや」と答えて、
ピラフやサンドイッチなど炭水化物ばっかり食べていた。
量はけっこう食べるのに、金額的にもとが取れない。

料理していることが楽しくなってくると、時折
「いつか自宅をリフォームして、小粋な創作惣菜店でも開くかあ」なんて
見果てぬ夢をふっと見る瞬間がある。
考えたら、ここまで「独自な食文化」を築いてきたわけだから、
こうなりゃブランドに仕上げちゃえばいいのだ(という机上の空論)。
「建築系の友達に頼んで……」「店のロゴデザインは……」なんて、
今の知り合いにデザインを頼むことまで計画(←自分でやる気はない)。
なかなか詳細な妄想である。

妹が偶然「効果音」のCDを借りてきた。
というわけで今、私の部屋では「波」の音が響いている。
埼玉では普通あり得ない、涼しさの演出が実現しています。
あっ、今度は「吹雪」の音が聞こえてきた。
ぎゃー。遭難するよー。ぐわーーー。
と思ったら、今度は蒸気機関車の汽笛!!
ポッポー。ほっほーぃ。
たーのしいなー。