眠るタイミングをいまいち逃して朝を迎え、 そのまま学校へ行ってふと気付くと午後十時を回っていた。 家に帰り着いたら日付が変わって月も変わっていた。 ……と。 それだけバタバタとした暮らしをしているにも関わらず、 なんだか私は健康になってきた。 頭痛は相変わらず止まらないんだけど。 あ、でもそういえば、薬を飲めば止まるタイプの頭痛しか来ていない。 考えるチカラ、頭の体力みたいなもの、 長い時間悩んでいられる、脳と精神の持久力みたいなものが、 日増しに強くなっているのがわかる。 なにかが冴え、血液も優良になってきた感じ。 体が、というか、足が軽い。 そのうえ妙に歌が歌いたい。 この感じはそうか、冬が近いんだ。 体調を崩して以降、動物と同じノリで季節に敏感なのだ。 歌を歌いたくなるのはクリスマスの影響なのか。 そういえば冬は、わけもなく音楽の季節だなあ。 乾燥してるから喉は枯れやすくなるし、 指がかじかんでピアノなんか弾きづらいはずなんだけど、 夏よりも音楽に向いてる気がするのはなぜなんだろう。 よく芸術の秋というけど、私の場合秋は意外とそうでもない。 秋は祭りの秋であって、人に会う機会が多くガヤガヤと過ごす。 芸術は冬に深まっていく。全ての血管がちゃんと動く幸せ。 春が来るまで、しばしの安らぎだ。 そういえば、私が大学に受かった最大の理由も、 日本の入試が冬だからな気がする。夏だったら、ねえ。 |