それは初めての経験だった。 なんと、そのまま顔を洗っても髪がほとんどぬれなかったのだ。 濡れる前髪もありゃしない。 いや誤解なきよう、別に禿げたんじゃない。禿げ増したんじゃない。 そのくらいざっくりと、髪を切った。切ってもらってみた。 鏡を見るたび、「お前誰だ?」と自分の姿にびっくらこ(←懐かしい言語)。 ♪誰だ 誰だ 誰だー 空のかなたに踊る影。 ガッチャマンのテーマソング並みに。 ゆとり産業って必要よねー。なんてことを一人思う。 いつもの私がいかに合理主義か。ゆとりがないか。 なんてことを、反省するでもなくただ客観的に見つめるのだった。 美容院でカットしてもらいながら、こっそり考えたこと。 ●一生言えそうにない、気になるせりふ。 「私は夢中でシャッターを切っていた。 ……その写真のうち一枚が、問題になった例の新聞記事だよ。」 *何の仕事をしてどこにいけば使えるんだろう。何の話だろう。 ●ノーリーズンといえば? コカコーラ。 *でもその公式には、広告戦略という理由(リーズン)がある。 ●使ってみたい技。 「忍法、白髪染め!」(注:かなり大声で言いましょう) *これは使えるな。年老いたら。 ゆとり的時間を得たので、ちょっと普段と違う考え事をした。 でも結局、バカなことに変わりはない。 決めたよおっかさん。おいら、一流のバカになる。 |