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奏者
2002年06月02日(日)

10年以上付き合いのある友達の学校の文化祭へ。
違う友達と二人で遊びに行き、暑い暑いと言いながら
露店で野菜類(米も)を買いまくる。
暑い上に荷物が重い、そんな中でも
結構美味い物を食べたりしながら時は過ぎる。
でも人が一杯で暑い場所は苦手だったので、疲労は予想以上に蓄積した。
今度またお茶でも飲みつつゆっくり話そうぜー、と言って別れた、

だいたいそんな日だったが、
その中で変わった買い物をした。
カリンバというタンザニアの民族楽器。
金属の棒が10本ほど付けられた木製の板で、
その棒を爪ではじいて音を出す、オルゴールのようなもの。
大きいものはそれなりの値段だったが、
手のひらよりも小さいものは¥700。
はや「……」
友達「へー、楽器も売ってるんだ」
はや「……これ、買う。」
友達「えっ(まじで?)」
と、一瞬驚いた雰囲気になったが、
さすが彼女も古くからの友達だから、(ああ、はやさんなら
買うかもな、むしろはやさんみたいな人のために売ってたのかも)と
すぐに合点したようだった。

その楽器、金属の棒の長さで音階が決まるわけだが、
いくつか売られているものを弾き比べてみると
どれも音階がでたらめで個体ごとに音の出方がバラバラだ。
手作りだし、特にこのサイズで作れという規格がないのかもしれない。

一つの楽器で音が十種類しかだせないというのは原始的だ。
それもドレミファではなく、半音がまじったりして
いわゆる「美しい」音階ではない。すごく打楽器に近い。
ピアノのような整然とした音を構成するより
ノリで音を出してはなんとなく楽しむ、というのが
カリンバの正しい使い方だそう。
楽器=演奏の道具、と無意識に思い込んでいたので
その出会いは小さな衝撃だった。
こういう音楽も確かにありなんだよな、と。
むしろ原点だったのかもしれない。

各個体を弾き比べ、一番音の澄んだ(と思いこんだ)ものを購入。
帰って妹に見せたら大笑いだった。
「お前、うける」と。確かに、手のひらサイズのカリンバを
のぞき込むように弾いているとなんとなく切ない。
弾くときの親指の動き方はまさしく
ゲームのコントローラーをいじる時のそれと似ていた。
ゲームボーイやってるのかな、と思いきや民族楽器。
……それ、ちょっといいなあ。シュールな光景。

高校の友達で、ことあるごとにハーモニカを吹いていた人物が居た。
ここぞ!という時(?)にスッとポケットからハーモニカを取り出し、
みんなに驚かれても吹き続ける姿を見て、
音楽ってすてきだ…!!といつも思っていた。
…今度は、私の番だ。(えっ)