10年以上付き合いのある友達の学校の文化祭へ。 違う友達と二人で遊びに行き、暑い暑いと言いながら 露店で野菜類(米も)を買いまくる。 暑い上に荷物が重い、そんな中でも 結構美味い物を食べたりしながら時は過ぎる。 でも人が一杯で暑い場所は苦手だったので、疲労は予想以上に蓄積した。 今度またお茶でも飲みつつゆっくり話そうぜー、と言って別れた、 だいたいそんな日だったが、 その中で変わった買い物をした。 カリンバというタンザニアの民族楽器。 金属の棒が10本ほど付けられた木製の板で、 その棒を爪ではじいて音を出す、オルゴールのようなもの。 大きいものはそれなりの値段だったが、 手のひらよりも小さいものは¥700。 はや「……」 友達「へー、楽器も売ってるんだ」 はや「……これ、買う。」 友達「えっ(まじで?)」 と、一瞬驚いた雰囲気になったが、 さすが彼女も古くからの友達だから、(ああ、はやさんなら 買うかもな、むしろはやさんみたいな人のために売ってたのかも)と すぐに合点したようだった。 その楽器、金属の棒の長さで音階が決まるわけだが、 いくつか売られているものを弾き比べてみると どれも音階がでたらめで個体ごとに音の出方がバラバラだ。 手作りだし、特にこのサイズで作れという規格がないのかもしれない。 一つの楽器で音が十種類しかだせないというのは原始的だ。 それもドレミファではなく、半音がまじったりして いわゆる「美しい」音階ではない。すごく打楽器に近い。 ピアノのような整然とした音を構成するより ノリで音を出してはなんとなく楽しむ、というのが カリンバの正しい使い方だそう。 楽器=演奏の道具、と無意識に思い込んでいたので その出会いは小さな衝撃だった。 こういう音楽も確かにありなんだよな、と。 むしろ原点だったのかもしれない。 各個体を弾き比べ、一番音の澄んだ(と思いこんだ)ものを購入。 帰って妹に見せたら大笑いだった。 「お前、うける」と。確かに、手のひらサイズのカリンバを のぞき込むように弾いているとなんとなく切ない。 弾くときの親指の動き方はまさしく ゲームのコントローラーをいじる時のそれと似ていた。 ゲームボーイやってるのかな、と思いきや民族楽器。 ……それ、ちょっといいなあ。シュールな光景。 高校の友達で、ことあるごとにハーモニカを吹いていた人物が居た。 ここぞ!という時(?)にスッとポケットからハーモニカを取り出し、 みんなに驚かれても吹き続ける姿を見て、 音楽ってすてきだ…!!といつも思っていた。 …今度は、私の番だ。(えっ) |