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食いそびれの街
2002年02月18日(月)

食い倒れというのはオオサカのキャッチフレーズ(?)だが、
今日私は食いそびれた。……朝飯と昼飯を。
朝起きて、「あっ遅れるっ」と家を飛び出し、
電車にn時間揺られて、取材に出掛け、古い貴重品をさわり、
パンフレットのことでおろおろし、作品集のアドバイスを受け
……気付くと、4時を回っていた。
『早い夕飯を食ってからバイトに』という予定をイメージしていたので、
私の心の中にさまぁ〜ずの三村氏が10人ほど現れて
くちぐちに「もうこんな時間かよ!」「早いなオイ!」と、
状況そのまんまをツッコんでいた。

早い夕飯を食べてバイトに。
そして、家に帰ったのは10時過ぎだ。
しかしこんな忙しい一日のうち、
移動時間が5時間も含まれているのはすごいことだ。
「学校と家が近かったらもっと何かできるんじゃないか」などと、
半分事実で半分虚無な、少々甘い夢を見る。

そういえば私は、学校が近所だったことはほとんどない。
中学生の時に一年だけ市内の学校に通ったことがある。
歩いて15分の距離に、鳥肌が立つような感動を覚えた。
3時半に学校が終われば、4時前に家に着いているのだ。
多くの人はそんな生活をずっと続けているのか?という疑問さえ湧く。

たとえば同じ時代に生まれ、同じニュースをテレビで見て、
同じ基準の教科書で義務教育を享受したとしても、
そんなことは大したことではないのかもしれない。
それ以上に、その人を決定付ける要素はうじゃうじゃしている。

私だけかもしれないが、初めて海外に行った時より
初めて地元の学校に通った時の方が
よっぽどカルチャーショックが大きかった。
言葉も似ているようで少し違うし、食べ物も常識も違っていた。

一番の異文化は実は身近にあったのさ、という
ヨーロッパの喜劇にありそうでないような皮肉な日常だった。
その経験ゆえか、今もなんだか斜に構えている。
隣はなにをする人ぞ。