数年前に某大手企業から独立されたK氏の 講演会があった。うちの学校の有名なOBだ。 濃厚な2時間だった。 あくまでも俺は俺だ、という生き方を 貫いておられる方で、日本では各人の個性を殺すような 企業が多いことについて鋭く批判しながら、 熱く語る6×歳。お若い、というか生き生きしている。 ウン十年後、私もあのくらい元気でいたいものだ。 質問ありませんか、というのに誰も手を挙げない。 天性の目立ちたがりが功を奏して、私は挙手していた。 だって勿体ないじゃない、という感じがした。 自分が人と違う感じがするのは、 未熟だからなのか個性なのか。 それが解らないんです、悩んでいますと訊いてみた。 それは実は、幼い頃からの疑問だった。 すると舌の根も乾かぬ内に、「解らなくて当然です」と はっきりとした答えが返ってきた。 やり方は周囲と同じでも、考え方は同化してはいけない。 自分の現在の稚拙さなど、うまく見えなくて当然。 悩まずに、やりたいことをやれば良い……… 他の人にも言われてきたことだった。 ただ、特に彼の場合、気持ちいいくらいに即答だった。 なにかを熱心に続ければ、自然と向上していく。 ましてや好きなことなら、尚更。 その基本を大切にしていこう、と思った。 |