Deckard's Movie Diary
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| 2008年02月14日(木) |
L change the WorLd チーム・バチスタの栄光 ぜんぶフィデルのせい |
『L change the WorLd』 『デスノート』はそこそこ楽しめる作品になっていましたし、松山ケンイチ扮する“L”もなかなか魅力的なキャラではありました。今作はその“L”を主人公にしたスピンオフ作品なんですが・・・しょーもないですなぁ。監督はハリウッド進出も果たしたホラー映画の第一人者と言われる中田秀夫ですが、相変わらず脚本がデタラメです。環境保護団体の研究職員がいきなり過激派のテロリストになったり、ジャンボジェット機を操縦出来たり、肝心のブツを手に入れる前に行動を起こしたり、“L”がアクションをこなしたり、どう好意的に観ても子供騙し程度のシロモノです。だいたい、主人公である“L”が電車の座席の上を土足で遊びまくるってどういうことだよ!バカモノ!制作者の程度が知れる駄作!
『チーム・バチスタの栄光』 監督は『アヒルと鴨のコインロッカー』で名を上げた中村義洋。この人は脚本に破綻が無いですねぇ!これは最近の邦画では驚くべきことです(って、情けねぇ〜)。また、シリアスなシーンとコミカルな部分のバランスが絶妙で十分観賞に耐える作品に仕上がっています。ただねぇ・・・ここから先なんですよ!もったいないなぁ・・・と思ったのは前半部分で調査を依頼された田口女医(竹内結子)がバチスタチームに聞き取り調査をするんですが、ここがアッサリし過ぎていて、あんまり後半の盛り上がりに繋がらないんでね。それぞれのキャラをもっとどろどろに描いて欲しかったです。もっと一癖も二癖もあるように描かないと面白くならないですよ。米とか、ゴミ箱への投げつけ等、面白い部分があるだけになんとかならなかったかなぁ・・・と。それにしても主演の竹内結子は上手くなりましたねぇ・・・キネ旬の主演女優賞はダテじゃなかったんですね。これから先も伸びていって欲しいなぁ・・・・・・・・( ̄。 ̄ )ボソ…阿部寛は最近の得意とするパターンで危なげないです。荷が重たかったのはやはり吉川晃司で、迫力不足は明白で物足りません。まぁ、なんだかんだ言っても良い作品だと思いますよ。
『ぜんぶフィデルのせい』 とにかく主演のアンナを演じたニナ・ケルヴェルがキュートですわ!その表情はもちろん、言動も行動もキュートなんですわ!キョーサン主義、団結、革命等、数少ない自分の経験から一生懸命理解しようとしている姿は微笑ましい限りです。幼き頃、耳に挟んだ大人の会話に自分の知らない未知の世界を垣間見たような、そんな懐かしい気持ちを思い起こさせてくれました。ただ、全体に展開が早いと言うか、雑な印象が残るのがちょっと残念でしたね。監督はあのコスタ・ガヴラスの娘ジュリー・ガヴラス。これが初めての長編だそうですから、出来に物足りなさを感じるのは仕方ないのかもしれません。それでも、その観察眼の確かさは目を見張るものがありますし、血は争えないというか、やっぱり社会派なんですね。それも、そういう父を持った娘の視点という意味では実に興味深い作品でした。次回作も期待したいです。
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