Deckard's Movie Diary
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2007年11月28日(水)  君の涙ドナウに流れ/ハンガリー1956

“失われた革命”として名高いハンガリー動乱・・・そんな見出し並み程度の知識しかありませんでした。そして、それがオリンピック・メルボルン大会の水球の流血事件に繋がっていたなんてコトは全く知りませんでした(/・_・\)アチャ-・・。オイラみたいなボンクラには映画は時として素晴らしい教師になってくれます。最近の作品だけでも『イノセントボイス』『ホテル・ルワンダ』『約束の旅路』等を上げる事が出来ます。もちろん、映画ですから全てを鵜呑みには出来ませんが、全くの出鱈目というコトもないでしょう。今回もこの映画を観なければ、こういう事実を一生把握仕切れなかったと思います。この作品はハンガリーで史上最高の動員をしたそうですが、『ブラックブック』が本国で同じような評価を得たのと同じように、そこには後世に語り継がなければならない祖国の悲劇が描かれているコトに他ならないでしょう。

辛く悲惨な映画ですが、始まりは boy meets girl です。好きな異性がいたら、相手のコトを良く知りたいと思うのは自然な感情です。オイラも70年代学生運動の最後っ屁を嗅いでいる人間ですから状況はそれなりに理解出来ます。あの頃も似たような話がありました・・・(遠い目)。この作品のラストの悲劇はちょっと作られ過ぎた印象もありますが、そういう事実があっても不思議ではないでしょう。逆に言えば、それこそがこの動乱の理不尽さを表現しているワケです。いつの時代でも大国のエゴ丸出しの卑劣な行為は小国を蹂躙し、巻き込まれた住民の一人一人に悲劇の種を撒き散らします。それでも人は自由を求め戦い、そんな過酷な状況の中でも人を好きになり、愛おしいと感じ、その人を守りたい!と思い、行動する。過酷な状況だからこそ惹かれあうのかもしれません。言い方を変えれば“死”を身近に感じると、より深く相手を求めるということなのでしょう。そういう意味でもオイラは『スターリングラード』が好きです。ちょっと、話が逸れました(笑)。どちらにせよ、この映画が観る価値のある作品であるのは間違いありません。ノホホンと平和を享受してきた自分にとっては心に染み入る映画でした。


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