Deckard's Movie Diary
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2007年05月25日(金)  こわれゆく世界の中で

アンソニー・ミンゲラ最新作。世間的にはダメダメな評価を受けている前作『コールド・マウンテン』でさえ、けっこう好感触のオイラですが、ジュード・ロウの現代劇での普通の男性役ってのに、どうにも観る気が起きなくて敬遠していました。でも、映画好きの友人二人が揃って好感触なので騙されたと思って(d( ̄  ̄) ヾ(^o^;オイオイ・・・)観てきました。いやぁ、良い映画でしたぁ。やっぱり、ミンゲラとは相性がいいなぁ(苦笑)。この人は本当に一言では言い表せない心模様を描くのが上手いですね。人があるコトに直面した時に起こす行動は、その時の心理状態に大きく左右され、同一人物でも毎回同じではないですし、さらに!自分が望んでいるのとは正反対の行動をとる事もままあります。まことに人間と言うのは一筋縄では行きません。そんな複雑で自分勝手な(っつーか、自分でコントロール出来ない自分)人間同士が理解するのは大変難しいことです。“届かぬ心”・・・最近、何処かで聞いた言葉ですが、この作品の方が相応しいんじゃないでしょうか。映画を観終わって思うことは・・・“勇気を持って、許す心”かな。決して上から物を言っているとかじゃなくて、他人を受け入れるというコトはそういうことなのかなぁ・・・と。それだけ、人間ってのは不完全なんでしょう。原題は『Breaking and Entering』。壊した後にそこへ入っていくこと・・・それはさらなる奥深い世界に入っていくコトであり、新たな世界を作るコトでもあるワケです。その為には過去を引きずっていては前に進みません。ドアを一発蹴って許しましょう。ラスト30分のエンディングがサクサクと行き過ぎるという批判もありますが、オイラはアレで十分だと思いました。進むべき道を見つけた人にとって、時間はサクサクと過ぎるというコトです。ジュード・ロウの現代劇での平凡な男役、捨てたモンじゃないですね(/・_・\)アチャ-・・


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