Deckard's Movie Diary
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しかし、本当に日本映画は大丈夫なんでしょうか?そんな感想しか浮かばない『日本沈没』です。酷い!あまりに酷い!この脚本って、マジで最悪でしょ!この映画を観て、本当に面白いと思っている人って居るんですか?ハッキリ言って、どうしようもない駄作!全く!と言ってイイほどダメダメです。観るべきモノは映像のトーン、それに音楽くらいでしょうか・・・。『日本沈没』・・・その“日本”にある意味もまた、ほとんど手付かずでした・・・。
まずパニック映画には絶対に必要な“予兆”がありません。どういうワケか、既に始まっています。そりゃ、ないだろ!これじゃ、観ている方は置いてけぼりじゃん!よって「日本って沈没するかも?」という切羽詰った印象を観客が持つことはありません(まぁ、地震は実際に切羽詰ったモノがあるので、ちょっと怖いですが・・・)。この時点で、もう試合放棄みたいなモンです!
また、救世主となる主人公のキャラクターが恐ろしいほど曖昧で全く存在感がありません。この主人公って、本来はリアリストで、クールで、危機管理能力だけは異常に優れている世捨て人みたいな人物だったと思うんですけど・・・そんなキャラだからこそ!ラストで彼の行動が感動を呼ぶワケじゃないですか!それが、どうしようもなく中途半端で、ダラダラとフラフラとウロウロしているだけです。で、そんな全く魅力の無い奴に惚れる女性なんて居るワケないのに、いつのまにか惚れられているし!なのに、抱かないし!って、なんじゃ、こりゃ!おままごとかよ(笑)。オートバイでこけてるシーンを撮ってる前にヤルことあるだろ!
さらに!地震によって引き起こされる身近な出来事が全く描かれません!例えば、建物が歪んでドアが開かなくなるとか、風呂に入っている時に地震が来たら?とかの、人間臭い描写が一つありません。そういう誰もが実感として理解出来るシーンが無いのでリアルな説得力に欠けます。とにかく、全編に渡って全くと言っていいほど臨場感も人間味も感じられません。おそらく樋口監督は人間になんて全く興味が無いんでしょうね。原作は相米慎二監督の『風花』でも有名な帯広在住の作家・鳴海章の小説「輓馬」。脚本は『800 Two Lap Runners』『ゲレンデがとけるほど恋したい』『水の中の八月』『女学生の友』『雪に願うこと』と手堅い仕事をしている加藤正人ですが、今回ばかりはどうしようもなく嘘臭いです!
それなりに良く出来ている特撮シーンもチョビっとだけで、もっと観たい!と思ったところで切れてしまいますから、お腹が満たされることはありません。多少なりとも収穫があるとすれば、せいぜい「及川光博ってこういう役も出来るんだぁ」ってなモンです。それなりの製作予算を使って、それなりの広告予算を使って、このテイタラク・・・情けない!正直な話・・・「恥を知れ!」と言いたいです。ばかやろ!アレ?この言葉って、つい最近も書いたような・・・(苦笑)え?韓国で200スクリーンで公開?勘弁してくれよぉ〜頼むから誰か止めてくれ!マジで別の意味で日本沈没しちゃうよ!
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