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Deckard's Movie Diary index|past|will
友人が是非!と言うので観に行った『力道山』です。確かに力のこもった映画でした。力道山を演じる主演のソル・ギョングは素晴らしいですねぇ!こんな役者は今の日本には居ないでしょ!こういった作品を見ると、つくづく、韓国映画界の熱さを感じますね。韓国映画が日本の昔を映像にするなんて・・・美術(デザイナーは日本人!って、当たり前だろ)も素晴らしいっす!昔の邦画には、こういう熱さはあったんですけどねぇ・・・(苦笑)。力道山は小生(54年生)の子供時代のヒーローでした。街頭TVの前で多くの庶民が口角泡を飛ばし、翌日には興奮し過ぎて心臓麻痺で亡くなった老人の記事が新聞に載ったりするほどの、大騒ぎ状態でした。ただ、力道山本人の存在感というは、小生が子供だったからでしょうか、あまり感じられませんでした。何処か、距離があるような印象でしたし、彼の本音が見えるようなコトは無かったように記憶しています。力道山が刺された時も、なんだかキツネにつままれたような事件で、直後のニュースでも、まさか死に至るとは想像も出来ませんでした。後に、力道山が朝鮮人だったコトを知ったのですが、その時は、まだまだ発展途上だった日本の暗い闇の部分に触れたような気がしました。個人的な力道山に関しての印象はそんなモノなんですが、この映画で彼の苦悩の部分も多少は分かったような気がします。ただ・・・力道山はプロレスを立ち上げる時に、本当にあんなコトを言ったんでしょうか?「オレは朝鮮人でも、日本人でも無い!世界人だ!」という彼の主張は分かりますが、この映画にはその発言裏付ける部分が希薄です。それは、力道山と力道山の後見人、藤竜也演じる菅野武雄との関係の描き方がイマイチ中途半端ですし、彼が朝鮮から日本に渡ってきた部分も描くべきだったんじゃないでしょうか?個人的には、力道山と菅野武雄、そして中谷美紀扮する綾の3人の確執にギュっと焦点を当てた方が良かったと思います。全体的にボヤけてしまった印象が残りました。また、『キル・ビル』の時にも思ったのですが、日本語で演技が行われるのなら、その部分だけは日本の録音技師を使った方が良いと思われます。『キル・ビル』の時と同じように、この映画も日本人の役者が発する言葉が聞き取り辛いです。誰か教えてやれよ!
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