Deckard's Movie Diary
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| 2004年12月16日(木) |
バッド・サンタ ベルリン・フィルと子どもたち |
友人がNGを出していた『バッド・サンタ』です。いやぁ、仰るとおり!これはダメですよ(笑)。監督が『ゴースト・ワールド』のテリー・ツワイゴフだったので、ちょいと期待したんですが・・・とにかく弾けない作品でした。テンポが悪いのは置いといても、一番のNGはビリー・ボブ・ソーントンが演じる主人公です。全く魅力がありません!単にだらしないだけで、ぜ〜んぜん可愛くありません!これは主演のビリー・ボブに責任があるワケじゃなくて、演出がダメダメなんだと思われます。脚本も無駄な描写ばかりで、それぞれのエピソードは全く説得力がありません。重要な役割になるヘタレ小僧も、どうしてバッド・サンタに纏わりつくのかさっぱり分かりません。なんだか、日本のTVドラマのような軽薄な映画でした。
アバドの後を受けて、ベルリン・フィルの首席指揮者に就任したサイモン・ラトルは言う「サッカーの授業ならサッカーボールを蹴って教える、美術の授業なら絵を描かせて教える、音楽の授業は静かに聴きなさい・・・これはオカシイだろ!」。就任早々「音楽は工場へ、学校へ解放されるべきだ!」と宣言したラトルは“教育プロジェクト”に着手したワケですが、その成果の全てがこの作品に描かれています。ベルリン中から募った8歳から20歳までの子どもたち250人にベルリン・フィルが演奏するストラヴィンスキーの♪春の祭典 に合わせて踊ってもらう・・・8週間のレッスンを経て子どもたちはどう変わっていくのか?授業の後、冬の寒い体育館に集まって、ただただ身体を動かす子どもたち。今までは、学校が終わればサッサと遊びに行っていた子どもたち・・・・彼らは信じられない経験をするコトに!このプロジェクトは本当に素晴らしいし、素敵です!これはクラシック音楽を育んできた土壌が無いと絶対に生まれないモノなのかもしれません。もちろん、サイモン・ラトルも素晴らしいのですが、ナンと言っても英国ロイヤル・バレエ団のコリオグラファーであるロイストン・マルドゥームの指導の力強さと言ったら、今の多くの教師が手本に出来るのではないかと思うくらい、力強く美しいです!彼の発する言葉の多くは神がかっており、その説得力に惚れ惚れしてしまいました。この作品を観ると、子どもが持つ大きな可能性を信じずにはいられませんし、音楽のある星に生まれたコトも感謝したくなります。それと同時に、人生の先輩として、子どもに対してどう接しなければいけないのか?という疑問さえ解けそうな気がします。「踊りの最中に話してはダメだ!何故なら全てのエネルギーは身体で表現して欲しいから!話すコトでエネルギーは逃げてしまう!」に始まって、この映画の中で発せられる言葉の多くは、本当に魅力的です。登場する全ての人間が美しく見えてしまうのはオイラだけでしょうか?「音楽にできるコトは人々を一つにするコトだ!」。国籍も人種も、どんな“壁”も越える力が“音楽”にはある!エミネムを髣髴させるメインテーマもあまりにハマリ過ぎている『ベルリン・フィルと子どもたち』は多くの人に観て欲しい秀作と言えるでしょう!なお、このプロジェクトは年に2回の予定で続いているらしいですが、日本でもヤレばいいのに・・・・ボソ。
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