Deckard's Movie Diary
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2004年03月31日(水)  エレファント きょうのできごと

カンヌ映画祭パルムドールと監督賞のW受賞で話題になった『エレファント』です。・・・分かっていても強烈なシーンでした。この映画にはストーリーらしいモノはなく、同じ高校に通う生徒達のその日を、過去を垣間見せながら立体的に描いています。観終わって思うのは監督ガス・ヴァン・サントの演出の見事さです。確かに過剰な部分もありますが、登場人物への演技指導はもちろんのコト、入り組んだ編集や、ホワイトノイズ的なSEの使い方など全てが緻密に構築されています。途中までの**な印象も明らかに狙いでしょう。そして、この**さこそが、“実際に生きている時間の流れ”を感じさせてくれるので、リアリティに満ちた瞬間が訪れたのだ思いました。この作品は“映画を一つの大きな時間の流れ”として感じる人には良い印象を残すと思いますが、シーンを“点”で捉えたり理屈で理解しようとする人にはピンと来ない可能性もあるでしょう。まぁ、途中で寝ちゃう人は論外ですね(って、オレが言っていいのかぁ♪〜( ̄ε ̄;))そういう意味でも“しっかり”と観て身体で感じて欲しい作品です。全く知らなかったのですが、この映画ってスクリーンサイズがスタンダードだったんですねぇ。ワイドスクリーンに慣れた自分には、その妙に四角いスクリーンも閉塞感を増したようです。懐かしのティモシー・ボトムズが酔っ払い親父で登場していました。

今や飛ぶ鳥を落とす勢いの邦画界のアイドル監督、行定勳最新作『きょうのできごと』。はっきり言って、相変わらずです(笑)。脚本の詰めが甘くて、結局何を描きたいのか分かりません。恋愛なのか?青春なのか?人生なのか?その全てなのか?どれもこれも中途半端で観ている者に訴えかけてきません。ただ単に一日の出来事を綴っているだけです。それなりに時間をつぶして楽しめる映画かもしれませんが、2〜3日したら忘れてしまうような内容です。本人は現代の小津安二郎風とか成瀬巳喜男風とかを目指したらしいですが、ハードルが高すぎたようです。会話自体が大事な映画なのにセリフが板についてない部分が多く、特に自分から話すシーンの多い伊藤歩と田中麗奈はちょっと・・・(⌒o⌒;Aリハーサルの問題かもしれませんが、会話が落ち着きません。おそらく『東京ゴッドファーザーズ』のようにアニメにして声優が声を当てていたら、もっと完成度の高いものになっていたかもしれません。つまらないセリフやシーンでも役者の力量で面白くなる事もあると思います。この作品は脚本もなんだかなぁ・・・役者もなんだかなぁ・・・・つまりは監督の力量がなんだかなぁ・・・の映画でした。池脇は上手いんですけどねぇ(⌒o⌒;A


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