Deckard's Movie Diary
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2004年02月24日(火)  ドッグヴィル

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』で賛否両論を巻き起こしたラース・フォン・トリアーの最新作『ドッグヴィル』。予告編から洒落臭さ200%でしたが、実際に観たら鬱陶しいことこの上なし!の退屈な映画でした。人間の寛容さと、その下に隠されている残酷さでも描こうとしているんでしょうか?だとしたら、この設定で177分はあまりにも長過ぎです。平凡過ぎるストーリー展開なのに、場面ごとのネタバレ・タイトルだけでなく、登場人物の心情をナレーションで補うという念の入れ方はいい加減ウンザリします。「さすがにラース・フォン・トリアーは一筋縄では行かない!そこが凄い!」などと煽てる輩が後を絶たないのですが、オイラに言わせりゃ、「いちいち五月蝿いよ!」と言いたくなる、ただの説教臭い親父でしかありません。だいたいチョークで書かれたセットも効果的とは言えません。他人から見えないところでの人間の恥部が描かれているのかと思いましたが、見えても見えなくてもほとんど関係ありませんでした。結局は、だから何?それがどうしたの?としか思えないセットです。だいたい“無冠にして最大の話題作”って・・・言い換えれば“話題”だけの映画っつーコトでしょ?そういうコトならば大いに納得出来ます。しっかし、エンディングの映像もウザいわ(苦笑)

と、書いてきましたが、この映画はアメリカ&ハリウッドが大嫌いで、一度もアメリカに行ったことのないラースがアメリカを描く!という事で話題になった作品でもあったワケです。架空の街“ドッグヴィル”はほとんどアメリカ的な匂いは無く、どちらかというとヨーロッパの趣です。住んでいる住人(役者陣)もアメリカ人という感じがしません。それに引き換えヒロイン、二コール・キッドマンはいかにもアメリカ的です。誰の目にも明らかなように、この映画は“ドッグヴィル=ヨーロッパ”“キッドマンとその関係者=アメリカ”という図式になっています。そうやって見ると、この映画はさらに鬱陶しいです(苦笑)


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