Deckard's Movie Diary
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2004年01月26日(月)  シービスケット 炎の戦線・エル・アラメイン

待ち遠しかった『シービスケット』!噂に違わず良い映画でした。主要3人の登場人物が出会うまでの語り口はテンポが良過ぎてダイジェスト版を観ているような印象がありましたが(30年代の不況を背景にしているので余計にそう感じました)、後半を生かすのにはアレで良かったのでしょう。タイトルの『シービスケット』は、もちろん馬名ですが“馬名”というより“象徴”として捉えているようです。“馬”そのものに余計なコトというか、過剰な思い入れというか、人間の気持ちを理解しているフリのような・・・しょーもないセンチメタリズムが無いのも好感触でした。馬は人の思惑で走っているのでありませんし、シービスケットの走りに元気づけられようが、それは人間の勝手な思い込みなワケですから。競馬を語らせたら右に下がる者なし(なんじゃ、そりゃ!)の小生の突っ込みどころは、あの時代にモンキー・スタイルで騎乗していたのか疑問ですが、それは気になる事ではありません(っつーか、モンキー乗りの方が画になりますしね)。しかし、騎手のアップになるとやたらと手を動かしているのはちょっとねぇ・・・だって、モンタージュとしてもオカシイでしょ。レース・シーンが素晴らしいだけにちょっと残念。クリス・マッキャロン(レース・デザインを担当した殿堂入りの有名ジョッキー)は何をしていたんでしょうか(笑)。とまぁ、どーでもイイことですが(自爆)。で、この映画の最大の欠点は話が出来過ぎているところです。実話だから仕方が無いのですが、ストーリーが嘘臭く感じてしまので、何処か軽い印象が残ってしまいます。しかし、長年競馬を見ていると・・・例えば古くはトウショウボーイとテンポイントのマッチ・レースとか、そのトウショウボーイとシービークインの運命とか、奇跡の復活!と言われたオグリキャップやトウカイテイオーのレースとか、信じられない光景を目にする事が少なからずあるので、実際には不思議なコトでもないんですけどね・・・ボソ。結局は自分の目が曇りガラスになっているというコトなのでしょう(苦笑)。ウィリアム・メイシーが脇でいい味出してますが、トビーの痩せっぷりも見事でした。ウルフ役のゲイリー・スティーヴンス(殿堂入りの現役ジョッキー)はちょっと年齢が高いんじゃないかなぁ・・・レッドと同い年のはずなんだけど・・・ボソ。


『炎の戦線/エル・アラメイン』・・・“エル・アラメイン”と聞けば、そりゃ北アフリカを舞台にイギリス軍とドイツ&イタリア連合軍が繰り広げられた戦車戦でしょう!と思ってワクワクしながら観に行ったら、これが“裏エル・アラメイン戦線”だったんですねぇ(苦笑)。つまりこの映画は敗色濃厚となったドイツ・イタリア連合軍、砂漠に取り残されたイタリア軍敗残兵の消耗戦を題材にした作品でした。だから、派手な戦車戦は全くありません。まぁ、ちょびっと戦闘シーンはありますが、どちらかと言うと一方的に攻撃されて逃げ惑うイタリア軍という感じでしょうか?しかし、戦車戦が無いからと言って悪い映画ではありません。志願兵の目を通して語られるのは、勝ち目のない作戦だったり、理不尽な命令だったり、生き延びる為の戦いだったりします。末端の戦争なんてこんなモンなのでしょう。砂漠の映像も美しいですし、小道具類もリアルで良い映画なんですが、全体に冗長で、イマイチ何に焦点を当てたかったのか分かりませんでした。監督は『エーゲ海の天使』の脚本を書いていたエンツォ・モンテレオーネ。


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