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待ち遠しかった『シービスケット』!噂に違わず良い映画でした。主要3人の登場人物が出会うまでの語り口はテンポが良過ぎてダイジェスト版を観ているような印象がありましたが(30年代の不況を背景にしているので余計にそう感じました)、後半を生かすのにはアレで良かったのでしょう。タイトルの『シービスケット』は、もちろん馬名ですが“馬名”というより“象徴”として捉えているようです。“馬”そのものに余計なコトというか、過剰な思い入れというか、人間の気持ちを理解しているフリのような・・・しょーもないセンチメタリズムが無いのも好感触でした。馬は人の思惑で走っているのでありませんし、シービスケットの走りに元気づけられようが、それは人間の勝手な思い込みなワケですから。競馬を語らせたら右に下がる者なし(なんじゃ、そりゃ!)の小生の突っ込みどころは、あの時代にモンキー・スタイルで騎乗していたのか疑問ですが、それは気になる事ではありません(っつーか、モンキー乗りの方が画になりますしね)。しかし、騎手のアップになるとやたらと手を動かしているのはちょっとねぇ・・・だって、モンタージュとしてもオカシイでしょ。レース・シーンが素晴らしいだけにちょっと残念。クリス・マッキャロン(レース・デザインを担当した殿堂入りの有名ジョッキー)は何をしていたんでしょうか(笑)。とまぁ、どーでもイイことですが(自爆)。で、この映画の最大の欠点は話が出来過ぎているところです。実話だから仕方が無いのですが、ストーリーが嘘臭く感じてしまので、何処か軽い印象が残ってしまいます。しかし、長年競馬を見ていると・・・例えば古くはトウショウボーイとテンポイントのマッチ・レースとか、そのトウショウボーイとシービークインの運命とか、奇跡の復活!と言われたオグリキャップやトウカイテイオーのレースとか、信じられない光景を目にする事が少なからずあるので、実際には不思議なコトでもないんですけどね・・・ボソ。結局は自分の目が曇りガラスになっているというコトなのでしょう(苦笑)。ウィリアム・メイシーが脇でいい味出してますが、トビーの痩せっぷりも見事でした。ウルフ役のゲイリー・スティーヴンス(殿堂入りの現役ジョッキー)はちょっと年齢が高いんじゃないかなぁ・・・レッドと同い年のはずなんだけど・・・ボソ。
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