Deckard's Movie Diary
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2003年11月19日(水)  ルールズ・オブ・アトラクション 東京ゴッド・ファーザーズ

『ルールズ・オブ・アトラクション』は『レス・ザン・ゼロ』『アメリカン・サイコ』に続くB・E・エリス原作の映画化だそうです。彼の世界に登場する若者は“ゼロ・ジェネレーション”とか“ニュー・ロスト・ジェネレーション”とか呼ばれているそうですが、小生の時代だと三無主義(無気力、無関心、無感動)みたいなモンでしょうか?もっとシニカルな感じかな・・・。映画を観る限りかなり入り組んだ内容の話のようで、予告編でもその複雑さは感じさせていましたが、本編も中々!意欲作ではあります。ところが、中身は空回り!若者特有の思い込みと勘違いとすれ違いをあの手この手で描いているのですが、それだけ(B・E・エリスの世界を描くコトだけ)で精一杯!肝心な映画としての魅力があるとは言い難い出来です。原作の持つ世界観に縛られ過ぎた結果なんでしょう。もっと面白くなる要素はタップリあったでしょうに! でも、原作は未読ながら、映画化はとても難しい感じがします。

前作『千年女優』がドリームワークスから全米公開が決まっている今敏の新作『東京ゴッドファーザーズ』です。簡単に言ってしまえば“小皿料理の店”みたいな(わかんねぇ〜!)、言い換えると“必殺!小刀剣”みたいな(もっとわかんねぇ〜!)。つまり小技(コワザ)は上手いんです。とても良く練り込まれた脚本で細部までキチっと考えてあります。作品の完成度を追求する制作者のスタンスが分かる!って、モンです。だから当然!面白いんですが・・・ガツン!って来ないんですねぇ。どうも小枝(コエダ)ばかりを気にするあまり太い幹になる部分、核になる部分の拘りが希薄になっちゃいました。ひょっとしたら・・・生身の人間が演じていれば傑作になっていたのかもしれません。血がかよった人間の存在感ってのはありますからねぇ!映画って難しい〜!


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