Deckard's Movie Diary
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2003年11月20日(木)  イン・ディス・ワールド マトリックス・レボリューションズ 阿修羅の如く

『イン・ディス・ワールド』・・・2003年のベルリン映画祭金熊賞受賞のマイケル・ウインターボトム監督作品。この人って妙に甘いところがあってちょっと苦手です。内容はパキスタンの難民キャンプで暮らす少年が、夢を求めてロンドンへ行くまで(6カ国6400キロ)の密入国の道程を記録しています。映画は始まってすぐに「おお、これは傑作かもしれない!!」と期待させられるくらい、観ている者をググっとスクリーンの中に引っ張り込んでくれます。しかし、その期待は持続することなく少年の道程の中に埋没していきます。淡々と描かれる旅は当然の如く平坦ではなく命の危険を冒すモノでもあるのですが、切迫感がありません。おそらくドキュメンタリー・タッチが強過ぎるんでしょう。ことさらに悲劇を強調されても困りますが、この手の映画のパターンに嵌ってます。それがイイのか悪いのかはオイラには分かりません。結局は、百聞は一見にしかず!って奴です。もちろん、それだけで十分満足出来る内容には変わりありません。それにしても撮影終了後に本当に難民申請をし、拒否されてしまった主演のマジャール少年・・・今後どうするのかなぁ・・・。

『マトリックス・レボリューション』とうとうやっちゃったよ!このエンディングはないだろ(笑)以前、新聞社のCMで西川のりおやジミー大西が得意満面に、専門用語を駆使して社会情勢や経済状況を語るというのがありましが、何故か思い出してしまいました(苦笑)。いやぁ、今回ばかりはアタマの中がドッカン!ドッカン!キちゃいました(爆)。な〜んも解決してねーじゃん!しっかし、こんなデタラメでいいんですか?これじゃ、まるでクリスマス休戦!そりゃ、『マト・リロ』よりはアクション・シーンが満載で面白く観られましたが、幾らなんでもストーリーは手を抜き過ぎ!まさか『ドラゴン・ボール』の予習をやってたワケじゃ、あるまいし!(途中でスーパーアンダーソンになるのかと思いましたよ。ある意味、なったのか(笑))『マト・リロ』&『マト・レボ』の2作品は壮大なるコメディを観た気分でしたわ。だからさ、最初から言ってるじゃん!この世が仮想現実だとしても、仮想現実の中で人生をそれなりに楽しく暮らせるならばそれでイイじゃん!結局、結末がコレじゃ、彼等は何の為に戦ってワケェ〜?

『阿修羅の如く』・・・心を掻き毟られるような響きを持つトルコの軍楽を纏った和田勉演出のNHKドラマを観たのは昭和54年(79年)。25歳の時でした(>_<)アチャ!昔、教科書で習った『畏怖』なんて言葉を思い出しちゃうくらい恐ろしい印象として記憶に残ってます(っつーか、ほとんどトラウマ?(笑))。当時のキャスティングは加藤治子(大竹しのぶ)、八千草薫(黒木瞳)、いしだあゆみ(深津絵里)、風吹ジュン(深田恭子)というモノでした。さて今回の森田『阿修羅』ですが・・・簡単に言ってしまえば“阿修羅の如く(中学生日記バージョン)”とか、“お喋り阿修羅さん♪”とか、“お多福の如く”みたいな映画でした。だってね、ぜ〜んぜん怖くないの!なんじゃこりゃ(笑)。小林薫の決め台詞「女ってのは阿修羅だよなぁ・・・」があまりに軽くて噴出しちゃいそうでした。こんな女性ばかりだったらこの世は男性天国でしょうね(爆)。それでも原作が面白いですし、筒井ともみの脚本(セリフでやたらと語っちゃうのはダメダメですが・・・)も手馴れているので安心して観ていられます。三女・滝子(深津絵里)の恋人(中村獅童)はキャラを作りすぎていてちょっと興醒め、さらに四女を演じる深田恭子が下手過ぎて、この二人のバランスの悪さが全体の締まりを悪くしているのが惜しまれます。その代わりと言ってはなんですが木村佳乃がいい味出してました(笑)。まぁ、どーでもイイですけど(苦笑)。今回のテーマ曲はブリジット・フォンテーンの『ラジオのように』ですが、単にぶつくさばかり言ってる愚痴のように聞こえてきましたわ。


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