Deckard's Movie Diary
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2003年10月28日(火)  ティアーズ・オブ・ザ・サン キル・ビルvol.1

『ティアーズ・オブ・ザ・サン』は、例によって“フグ刺し一気喰い!”のようなブルースの映画でした(笑)。でも、そんなに悪い映画ではありませんよ(まぁ、オイラは『ジャスティス』もけっこう好きでしたしね!Σ( ̄□ ̄;))。予告編通りの内容です。ベッタベタなストーリー展開ですけど、迫力もありますし十分観賞に耐えます。で、問題(問題にしちゃうの?)はですねぇ、ブルース演じる主人公のウォーターズ大尉の心変わりの原因が不明なコトです。いくつもの修羅場をくぐって、成功率100%を誇っている大尉が何故に命令違反をしたのか?映画の核となる部分に説得力が全くありません。余命いくばくも無いコトが判って公園を作った人間が居たように、それまでの自分と違う行動をとる時には、何かしらの要因があると思うのですが・・・。初恋の人に似てるとか、上司とケンカしたとか、三日間ウ○コが出ないとか・・・あ、汚くてすいません!何でもいいんですが、急にヒューマニズムに目覚めるのなら、何かしらキッカケが欲しいってモンです。その辺りがナイガシロですからねぇ。涙腺の弱いオイラは直ぐに泣いてしまいますが、別に感動しているワケではありませんので悪しからず(苦笑)。

さてさて大噂で大仰に始まった『キル・ビルvol.1』です。いやぁ、参りましたわ(苦笑)。タランティーノは今頃、馴染みの舞妓の膝枕で耳たぶでも玩ばれながら「タラはん、けったいなシャシンを撮りはりましたなぁ〜カカカ(笑)アチキは好きどすえぇ〜カカカ(笑)」とか言われて鼻の下をボヨヨ〜〜〜ンと伸ばしてるんじゃないですか(笑)。ただ、この映画は年配集に評判が宜しくて若い衆にはイマイチらしいですから、タラはんの好みは栗山千明(良かったですねぇ!)より風祭ゆき(まさか出てるとは!)ってとこでしょうか(笑)。で、肝心の内容ですが基本はタランティーノですから、様々な映画からのオマージュ、リスペクト、パクリで構築されております。それはもうウンザリするくらいなのですが、このエンターテインメント性は見習うべきモノだと思います。「面白ければ何でもアリ!」という言葉を耳にするコトがありますが、多くの場合は作り手や演じ手の勝手な解釈ばかりが目立つ(実際には全く面白くなかったり、単にデタラメだったり)場合が多いのですが、この作品は「面白ければ何でもアリ!」というのはこういうコトだ!と、正々堂々と真正面から観客に提示してみせます。その強引な手腕の天晴れぶりは賞賛に値します。その何でもアリ!状態をしっかり支え、進行するセリフは無駄な言葉が一切無く、実に巧みです。だけんどもしかし!観終わって感じるのは、面白いのにどうにもバランスが悪い!元々は1本だったモノを、作り出したら長くなり過ぎたので2本に分ける(興行的にも美味しいから)という処置がとられたと聞きます。おそらく脚本段階では1本の映画だったのでしょう。その前半だけのこの作品は明らかに全体のバランスが悪く、異常に和風モードばかりが目立ってしまい、ともすればキワモノの映画に見えなくもないです。しかし、vol.2で描かれる後半部分を加えれば、ひょっとすると前代未聞のカルト・ムービーが誕生するのかもしれません。予告編で使用されたのにvol.1に登場しなかったカットや、ビルの生い立ちなどを考え合わせるとvol.2にも、それなりに和風モードが登場するとは思いますが、vol.1ほど派手な舞台が日本で行われるとは考えづらいです。そう予測すると、おそらく1、2が一緒になったDC版(たぶん2年後くらいの発売か?)が最高に面白い作品になる可能性をタップリと秘めています。エンディングでかかった名曲はどういうワケかvol.1のサントラには未収録です。・・・ひょっとしたら、1、2が一緒だった時からのエンディング・テーマだったのかもしれません。もし、そういう事だったのなら、ちょっともったいなかったかも・・・。それとも2ではさらなる仕掛けがあるのでしょうか?何れにしても、普通に1本の映画を観に行った人間にとっては、どうにも中途半端な作品であるのは間違いないです。まぁ、濃い映画ファンにはそんなコトは関係ないですけどね(笑)。それにしてもユマ・サーマンのバットを振り回しているような力一杯の殺陣は、もう少しどうにかならなかったんですかね・・・ボソ。


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