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『灰の記憶』・・・個人的にはこの映画に関して良いとか悪いとか言えません。観終わって、言葉を出て来ませんでした。映画の内容があまりに悲惨というかやり切れないモノだったので、小生の心には“感動”とかの感情は浮かびませんでした。この作品は監督脚本のティム・ブレイク・ネルソン(『オー・ブラザー』の囚人の一人を演じた役者)が実在の登場人物でもあるユダヤ人医師ニスリの手記をもとに舞台劇として書き上げた『GREY ZONE(原題)』の映画化だそうです。映画で初めて取り上げられた“ゾンダーコマンド”。“ゾンダーコマンド”とはアウシュビッツで食事などの特別待遇と4ヶ月の延命と引き換えに、一緒に列車で送り込まれた同じユダヤ人をガス室に送り、その後死体を焼却し灰を集め捨てる。そんな地獄の労働のような任務を黙々とこなしながら、彼らは・・・。これはやはり言葉が出ません。もし自分があの場所に居たら?どうせ死ぬのなら?少しでも生きながらえようとした為にそんな現実に直面したら?そして、耳元で近づいてくる銃声。『灰の記憶』・・・言葉にならないほど悲しい戦争の記憶映画でした。
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