Deckard's Movie Diary
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2003年06月06日(金)  バンガー・シスターズ ハンテッド

「ゴールディ・ホーンとスーザン・サランドンが主演だよ」
「へー、面白そうじゃん!」
「若い時はグルーピーだったっつー設定みたい」
「マジかよ〜、それって『あの頃、ペニー・レインと』のパロディ?もう絶対観に行く♪」

で、上映を待っていたら・・・“銀座シネ・パトス”ですか・・・ボソ。というワケで期待値をかなり低めで行って来ました(爆)。映画は『バンガーシスターズ』。消して悪い映画ではありませんでした。ホッ!まぁ、あまりにベタな展開なので底は浅いです。内容は“三つ子の魂百まで”って奴ですね(笑)。もったいないのは、ジェフリー・ラッシュのキャラが活きてないんですよねぇ。彼は、今の彼女達にとってのミュージシャン(駆け出しですけどね!)としての役割で登場してくるのですが、グルーピーってのはミュージシャンにとってミューズだった場合も少なからずあったワケですよ(ペニー・レインも“あたし達はグルーピーじゃなくてバンド・エイドなのよ!って言ってたくらいですから(苦笑))、その辺りは上手い作りだったんですけど、彼の抱えてる話があまりに唐突に感じられて・・・確かに父との確執は(二人のアイドルである)ジム・モリソンとはダブりますが(そんなコトは誰も知らないよ!)、もうちょっと何とかならなかったのかなぁ。って、感じでしょうか。もっと二人の人生と上手く絡むような話だったらもっと深くなったんでしょうけどね。でも、個人的にはジェフリー・ラッシュが「マザーズ・オブ・インヴェンション!」って答えたりするところはツボでした(自爆)。人間、結局は“Still Crazy”っつーコトですね。しっかし、スーザン・サランドンの実娘って妙な体型ですね(笑)。え、ゴールディ・ホーンの体型ですかぁ?(-_-)…zzzZZZ乙乙乙

 さて、オイラにとっては『クルージング』以来のフリードキン映画『ハンテッド』っつーコトは23年ぶりかい(>_<)アチャ!最初に断っておきますが、この映画はツッコミ所万満載です。その全てを差し置いても、画面に漲る緊張感というか濃密な空気感はまさにフリードキン。余計な音楽も一切排除して、巧みなカット割りでグイグイと観客を引き込んでいきます。殺人兵器として戦場で活躍したハラム(デルトロ)は社会に順応出来なくなり、暴走を始める。彼を追い詰めるかつての教官L.T.(トミー・リー・ジョーンズ)。逃げるハラムの、L.T.に対する微妙な心模様が物語を深いモノにしており、まさにデルトロならではの渇いた憂いが魅力的です。相手を殺すことが生きる目的の彼は、殺されない限りは死ねないのです。トミー・リー・ジョーンズはちょっと年齢的に苦しい感じもしますが、頑張っていました(心臓麻痺を起こしそうでしたけど・・・ボソ)。でも、ヴァンダムやセガールではこういう味わいはありませんからね。この映画は観る人によっては面白くないシロモノかもしれませんが、小生には十分満足出来る作品でした。しかし、それは多くの映画ファンが「最近のフリードキンとしては良かった!」というのと同意見で、例えれば「邦画では良かった!」という言い方に近い印象も拭えません。というワケでオイラは次回作での完全復活を望みたいです。それにしても、ハラムの心理が全くわからない御仁が居るとは・・・唖然。ところで、あの母子との場面は全く必要ないと思うのですが・・・ボソ。


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