Deckard's Movie Diary
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2003年06月02日(月)  六月の蛇

 ヴェネチアもこんなんでいいのかぁ〜!って、叫びたくなりました!もちろん、ヴェネチア映画祭で審査員特別大賞に輝く『六月の蛇』のコトです(爆)塚本晋也って元々苦手(役者やナレーターとしては好きなんすけどねぇ)なんですが、やっぱりダメでした。雨ばかりを強調したザラつく映像にスタンダードサイズの画面から割れんばかりに鳴り響くバカでかい効果音。それらは相当な威力を持って、観る者を強引にストーリーに引き込みますが、ある意味、30年前の映像を見ているのとナンら変わりはありません。そして、描かれる世界もまた30年前と全く同じなのです。ATGやロマンポルノで育った小生には“またかよ〜!”感ばかりが残ってしまいました。手垢塗れの蝸牛のカットや、途中で挿入されるイメージ世界もあらら〜だし、仮面夫婦の設定も陳腐過ぎちゃって、なんだかなぁ・・・です。だいたい、一般的に屈折していると言われる性的行為を取り上げて、直ぐに“究極の愛”とか言うのも、いい加減に止めて欲しいです。そんなんだったら『失楽園』のオチのがよっぽどスゲェだろうに(苦笑)。だいたいこの二人の間に“愛”なんてあったんですかぁ?で、挙句の果てに “地獄”ですかぁ?天国じゃないんですかぁ?結局、この映画で「おお!」っと思わされたのは予告編での「まだ切ってねぇのかよ〜!」のセリフだけでした(爆)。しかし、それも観てしまうと「おいおい!そんなコト言ってる場合かよ〜!」ってな感じで、そんなシチュエーションに慣れてない彼が言えるセリフじゃないでしょうに(爆)。というワケで全てが頭の中で構築されたマスターベーション映画でした。何年経っても、こういう性の在り方を取り上げると最後は悲劇というパターンばかりでウンザリです。たまには前向きに取り上げて欲しいモンですなぁ。まぁ、雨の中での黒沢あすかは確かに美しかったですが・・・ボソ。


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