Deckard's Movie Diary
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2003年06月01日(日)  少女の髪どめ 春の惑い ギャングスター・ナンバー1

 本日は年に一度のダービーです!でもって、映画の日です!さぁ、どーする?って、そんなモン映画の日が優先するに決まってるじゃないですかぁ!別に競馬に嫌気がさした訳じゃありません!極めて個人的な理由で今年はつまらないからです(自爆)。

 というワケで映画の日なので、朝から渋谷へ突撃です。まずはル・シネマに行って『春の惑い』の整理券をゲットしてから、シネマライズで『少女の髪どめ』です。『運動靴と赤い金魚』『太陽は、ぼくの瞳』のマジッド・マジディの新作ですが、今回もまた彼のお家芸とも言える、極力セリフを少なくし淡々と映像で語り、ここぞ!という時にだけ思いのたけを語らせるパターンです。もちろん、役者は素人ばかりですから、セリフ回しは期待出来ないというコトもあるでしょう。しかし!今回も、マジディの映像を紡ぎ合わせてストーリーを語るテクニックは驚嘆すべきモノがあります。主人公は、な〜んも考えていない単なるアホな若者なんですが、少女に好意を持ち、彼女の役に立ちたいと色んな人間と本音で触れ合う内に、知らなかった世界や現実としっかり向き合うコトになり、結果、ただのおバカな若者からキチンと相手の気持ちを考える大人に脱皮した!っつー話しです。この手の話というのは大昔の邦画やNHKの単発ドラマが得意としている話しで、例えば、そこそこの不良が清貧の女性に触れて成長していく話しになるんでしょう。ただ、ナンと言ってもイスラム圏ですから、女性の社会進出、ましてやアフガン難民の置かれた状況というモノをそれなりに理解していないと、この話しは実に甘口のストーリーに感じてしまうかもしれません。彼の行動をストーカーと判断してしまうのは簡単でしょうけど、“見守る”という立場にたって観て欲しいとは思いました。つまり、それ以外の方法が彼にあるのでしょうか?そして、チャドルと生きる彼女には何の選択権もないのです。彼もまた、そんな大それたコトは望んではいなかったのではないでしょうか。ただただ自分の性を隠して働いていた少女の役に立ちたかっただけなのだと思いました。それは今の日本人には想像もつかないコトなのかもしれません。

 続いては再びル・シネマに戻って『春の惑い』。監督は『青い凧』で東京国際映画祭グランプリを獲得した田壮壮なんですが、彼の作品は初めてです。う〜ん・・・つまらなかったなぁ。始まって10分程で「こいつはヤバイんじゃないかなぁ・・・」とい疑念に駆られ「こんなコトなら(隣で上映中の)『北京ヴァイオリン』を観れば良かったなぁ・・・」と後悔しながら最後まで観ました。途中暫くの間夢の中を彷徨っておりましたが・・・!Σ( ̄□ ̄;)。話は、うまくいってない夫婦の間に突然現れた夫の友人は妻の初恋の人だった・・という、簡単に言ってしまえば万国共通の昼メロ・ストーリーです。となると、何処で昼メロと区別をつけるのか?丁寧な脚本と演出に尽きると思うのですが・・・ええい!まわりくどい言い方は止め!つまり、肝心の話がツマラナイ!これはどーにもなりません。だから、人間関係における緊張感が生まれません。緊張感が無いのにやたらと丁寧な演出をされても眠たくなるだけです。だいたい登場人物の全てが「イイ人ですねぇ〜」なんて言われるような不倫系ドラマなんて面白くもナンともないですよ。人間のエゴイズムはもっと醜いモンでしょうに!

 最後はまたまたライズに戻って『ギャングスター・ナンバー1』。タイトルバックから「血ぃ見るぞぉ〜」という雰囲気を漂わせていましたが、いやぁ想像以上にグロいですなぁ(笑)ノッケから登場する見るからにヤバそうなマルコム爺の笑顔から中盤まではかなりイイ感じだったんですけど、ポール・ベタニー扮する若かりしマルコムの猟奇的な暴走から、ナンだか妙な映画になってしまいました。その印象が強すぎてしまって・・・( ̄▽ ̄;)彼の狂気の内面を描く為に必要なのは分かるのですが・・・どうも、イギリス映画の場合は「そりゃ、やり過ぎだろ!」となる事が多いようです。そうやって考えると、バット一振りでその狂気を知らしめたデ・パルマは偉大でしたなぁ。折角、洒落た小物とタイトロープ的凶気を微妙なバランスで成り立たせていたのに、後半は車輪半分だけ脱線してしまったようです。それでも物語の筋道からは外れてはいませんので、この映画を評価する人が居てもナンの不思議もありません。それにしてもマルコム・マクダウェルはヤバすぎ!っつーか、(香取信吾風で)オマエ、スッゲェ〜よ。あ、そうそう!最近の老けメイクは素晴らしいモノがありますなぁ・・・ボソ。余談ですが『キスキス・バンバン』に続いて『唇からナイフ』のジョン・ダンクワースが音楽を担当していました。


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