Deckard's Movie Diary
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| 2003年05月13日(火) |
レセ・パセ[自由への通行証] あずみ |
『レス・パセ(自由への通行許可証)』は170分もある映画だったんですねぇ(笑)。想像していた映画とちょっと違ってました(⌒o⌒;A 実在の人物、助監督のジャン=ドヴェーヴルと脚本家のジャン・オーランジュの二人を中心にストーリーが展開します。ナチス占領下のパリ、ドイツ資本の映画会社<コンティナンタル>に身を投じながら地道にレジスタンス活動をしたり、仲間を助けたりしている二人。実話を元に様々なエピソードが描かれますが、そのひとつひとつが全くリンクしてきません。なぜなら、彼らは戦時下でも好きな仕事を出来ているワケで、そういう意味では恵まれているんです。そりゃ爆撃されて右往左往なんてのもありますが、悲惨さもさほどありませんし、この手の映画でよくある切羽つまった緊張感もほとんど感じられません。まぁ、感動するような映画でないのは確かです。観終わって、「3時間過ぎたのか・・・・」って印象しかありませんでした。監督は「二人の人物を得て、シッカリした物語になった」と言ってるようですが、中心人物を二人にしたことによって物語が散漫な印象になったのは否めません。また、ほとんど標準レンズによるバストアップのサイズばかりの映像でフランス語がヴゥーヴゥー飛び交うので、睡魔に誘われてしまいました(>_<)アチャ!映画としては、ところどころ笑えるシーンもあったりするので、もっとノホホンとしたコメディ風味にした方が良かったかもしれません。
スペリオールで愛読していた小山ゆうの劇画『あずみ』の映画化が決まった時、ワクワクしたのを覚えています(苦笑)。監督に抜擢された北村龍平は魅せるアクションという演出では十分期待出来ますが、ストーリーテーリングに不安があったし、あずみ役の上戸彩は海のものとも山のものとも分からない・・・期待値も不安値も同じような数値だったんですけど、これがどーして中々良かったですわ!劇画が原作の映画化としてはほとんど満点だと思いました。だからこそ、もう一つ上に行って欲しかった・・・という気持ちもありますが、今回はこれで満足します(笑)。つまり「この程度は作って欲しい」という期待以上のモノは全くないってコトです(褒めてないじゃん!)。それでも、北村龍平は今の日本で分かり易いエンターテイメントを提供出来る一番の監督であるのは間違いないです。今回はストーリーも人物描写も原作があるのでしっかりしていますしね(笑)。欲を言えばもっと残酷描写や血飛沫が多くても良かったし、あずみの孤独感をもっと浮き彫りにして欲しかったんですけど、まぁ、そこまで描かれてたら傑作になっていたでしょう。で、上戸彩なんですが、頑張っているのは分かりますし、良くやった!という印象もありますが、やはり力不足!表情に変化が無さ過ぎるのがどうしようもないし、殺陣も時折異常に遅く見えます(苦笑)。似たような役柄では『修羅雪姫』の釈由美子のが良かったです。これはアクション監督の差なのかなぁ・・・ボソ。
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