Deckard's Movie Diary
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2003年03月24日(月)  鯨神

 映画好きの友人達と待ち合わせして、銀座シネパトスのレイト・ショーで開催されている“特撮・スペクタクル大特集”に突入してきました。映画は62年の大映作品『鯨神』。原作は宇能鴻一郎の芥川賞受賞作で、脚本は新藤兼人。音楽は伊福部昭という豪華スタッフ。この頃の邦画は押し並べて作品に迫力があるのですが、それは映画産業が肩で風を切って歩いていた時代の産物なんでしょう。役者陣も力が入ってますし、美術、衣装、メイク等も半端じゃありません。もちろん、解像度の悪い白黒仕上げがフィルターをかけているのも事実ですが・・・それでも、例えば、群衆シーンにおける群衆役者たちの群衆としてのオーラ(わっかんねー(苦笑))は海辺に立っているだけで、今では考えられないような静かな迫力に満ちています。やはり娯楽の王様であった“映画”作りに参加しているという皆の意識がそうさせたのかもしれません。出演は(ガメラでお馴染みの大映正統派2枚目)本郷功次郎、(当時、座頭市でブレイクしたばっかりだった)勝新太郎、(好みじゃないんだけど・・・)藤村志保、(いつも同じ演技&表情の)江波杏子、(懐かしいなぁ、いつでもヨッパの)上田吉事郎等。話しは男の身勝手やら、友情やら、女の意地やらが入り乱れてかなり荒削りですが、全編を貫く骨太なストーリーは“鯨”という題材と相まって大らかなスケールを感じさせてくれました。あ、一言だけ!藤村志保はこの頃の方がちょっとフックラしていて私好みです。4年後の『大魔神・怒る』の頃にはちょっと痩せ過ぎでした。ラストの横顔なんて美保純に似てたしなぁ・・・ボソ。


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